妻は告白する 若尾文子 Amazon 映画の見方は、難しいところから始まるわけではありません。 たとえば、こんな図があります。 四角形は安定して見える。三角形は不安定に見える。ただそれだけの違いですが、見ている私たちは、そこからすでに何かを感じ取っています。 同じことは映画にも起きています。 安定した構図は安心感を生み、不安定な構図は緊張を生む。 そしてそれは、人物の感情にもつながっていきます。 感情を抑えている人物よりも、抑えきれずにあふれている人物のほうが、強烈に訴えるものがある。 ザイルにぶら下がり、今にも落ちそうな人間から目を離せないのと同じです。 増村保造が描こうとしたのは、まさにそういう人物です。 感情がむき出しになり、ぎりぎりの状態で生きている人間。 ここでは、増村の映画が、どのように人間の感情をむき出しのかたちで描こうとしたのかを見ていきます。 目次 5. 感情がむき出しに

