固有名・時間・信用 「固有名」「時間(軸)」「信用(性)」の問題を論じよう。まず三者の関係を以下の命題で表す。 固有名がなければ時間軸がない 時間軸がなければ信用性がない 固有名がなければ信用性がない 解説しよう。ある対象が同じものだと識別できなければ、(たとえ物理的時間は均一に流れていても)その対象の認識には時間軸がない。だから、固有名は時間的認識を支える形式だ。例えば、道で見かけた野良猫はひょっとしたら過去にも見ているかもしれないが、個体を識別できなければ時系列に沿って記憶を読み出すことができない。個体の認識を可能にするのは、顔のような特徴的な部分で、その識別性を踏まえて名付けるが、普通は記憶を割くだけの価値があるものに命名する。野良猫に名付けることはあっても、路傍の石に名付けることはないだろう*1。 そして、このように体験をその場限りではなくて、四次元体積にインテグラルするところに、