【パリ=本間圭一】国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)が、世界記憶遺産の登録手続きの見直しに着手したことが分かった。 複数の関係者が明らかにした。登録候補の文書の内容に複数の国が関与する場合、関係国で事前に協議した上で申請する仕組みを義務化する改革案が検討されている。来春のユネスコ執行委員会で改革案が承認されれば、次回2017年の記憶遺産の選考から適用される可能性がある。 ユネスコは今年10月、中国が申請した「南京大虐殺の文書」について、日本政府が懸念などを伝えたにもかかわらず、記憶遺産に登録した。日本政府は「中立・公平であるべき国際機関として問題」とユネスコを批判。馳文部科学相は3日から始まるユネスコ総会に出席し、制度改善を働きかける。