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ブックマーク / www.nibb.ac.jp (32)

  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 植物のユニークな細胞分裂の仕組みを解明

    細胞分裂はあらゆる生物の成長の根幹となる生命現象です。植物の細胞分裂は根や茎の先端で繰り返され、植物の成長は細胞分裂の効率に大きく依存します。植物細胞は細胞板で細胞質を仕切ることにより分裂します。この仕組みは細胞がくびれることにより分裂する動物細胞と異なっています。植物細胞が細胞板を形成して細胞分裂をする仕組みには未解明の部分が数多く残されています。 情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所の小田祥久教授らの研究グループは、植物細胞が細胞板を効率よく作り出す仕組みを世界で初めて明らかにしました。研究グループは、細胞板を作り出す装置に含まれるタンパク質「CORD4」を見出し、CORD4が細胞板の成分を運ぶレールである微小管を効率よく配置することにより、細胞板をより短時間で作り出していることを突き止めました。 研究により、植物のユニークな細胞分裂の仕組みの一端が明らかになりました。この成果

    基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 植物のユニークな細胞分裂の仕組みを解明
    ski_ysk
    ski_ysk 2019/11/17
  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 食塩の過剰摂取によって高血圧が発症する脳の仕組みを解明 ~新たな治療薬の開発に期待~

    高血圧は、日の成人のうち約4300万人が罹患していると試算される重大な国民病です。塩の過剰摂取が高血圧の原因となることは良く知られており、その仕組みとして、体液中のNa+濃度が上昇することによって交感神経系が活性化し、その結果として血圧が上がる、という説が有力となっています。しかし、脳がどのようにしてNa+濃度を感知し、その情報をどのような仕組みで交感神経まで伝えられているのかは不明でした。 今回、自然科学研究機構 基礎生物学研究所の野村 憲吾研究員、野田 昌晴 教授(総合研究大学院大学 教授、東京工業大学 教授(併任))らの研究グループは、塩(塩化ナトリウム)の過剰摂取により体液中のナトリウム(Na+)濃度が上昇すると、脳内のNa+濃度センサーであるNaxがこれを感知して活性化する、その結果、交感神経の活性化を介して血圧上昇が起こることを初めて示しました。 研究グループでは、これ

    基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 食塩の過剰摂取によって高血圧が発症する脳の仕組みを解明 ~新たな治療薬の開発に期待~
  • プレスリリース - 視覚の神経回路作りに働く酵素を同定:PTPRJによる視神経投射の制御

    私たちが眼で物や景色を見ると、それらの像は眼の中の網膜と呼ばれる映画館のスクリーンのようなシート状の組織に映し出されます。これらの像の情報(視覚情報)は網膜でいったん処理された後(色や動きなどの要素に分解される)、脳内に伝えられます。視覚情報を脳に伝えているのが、網膜から脳内に長く伸びた視神経の軸索です。発生期においては、網膜から伸び出した視神経軸索は正しいルートを選択して脳内の目的領域に到達し、さらにその領域内で適切な相手を見つけ出して結合する(シナプス結合を作る)ことで神経回路を形成します。もし、正しい神経回路が作られないと、視覚に異常が生じます。 視神経の回路形成においては、Eph受容体と呼ばれる酵素(タンパク質のチロシンをリン酸化する酵素)が必須の役割を担っていることが明らかになっています。基礎生物学研究所 統合神経生物学研究部門の新谷隆史准教授と野田昌晴教授らは2006年に、ニワ

    プレスリリース - 視覚の神経回路作りに働く酵素を同定:PTPRJによる視神経投射の制御
  • プレスリリース - イモリの再生能力の謎に迫る解析技術の確立 ~新規の器官再生研究モデル生物とゲノム編集技術を用いて~

    研究成果のポイント】 新規モデル動物イベリアトゲイモリ※1とゲノム編集ツールであるCRISPR-Cas9※2を組み合わせることにより迅速かつ高効率な発生再生遺伝子の機能解析法を確立しました。 解析法を用いて、器官発生において中心的な役割を果たすソニックヘッジホッグ遺伝子※3の転写調節領域※4の中に、四肢再生にも重要な配列があることを明らかにしました。 研究の成果は、有尾両生類であるイモリの高い器官再生能力や、ヒトの疾患に関与する遺伝子の機能を解明するためのツールやヒントとなり、今後の再生医療研究への貢献が期待されます。 有尾両生類であるアホロートルやイモリは、失ったり傷ついたりした組織や器官を元通りに修復する非常に高い器官再生能力を持っており、古くから生物学において注目されてきました。しかしながら、飼育繁殖が難しく、効率的な遺伝子機能解析の方法が未確立であったことから、その高度な器

  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - Wntタンパク質複合体の凝集と解離が情報の拡散範囲を規定する 〜細胞の社会の中で情報が拡散するためには〜

    動物の組織や器官は数多くの細胞から成り立っています。各々の組織や器官には固有の形や機能がありますが、それらが作り出されかつ維持されるためには、細胞同士のコミュニケーションが欠かせません。Wnt(ウィント)に代表される情報分子(シグナルタンパク質)は、組織の中の特定の細胞から分泌され、周囲の細胞に受容されることにより、細胞間コミュニケーションを担うことが知られています。Wntがどの程度遠くの細胞にまで拡散されるのかは、組織や器官における細胞間コミュニケーションの特性を理解する上で重要な問題ですが、Wntの拡散範囲がどのように決まるのかについてはこれまで分かっていませんでした。 今回、生命創成探究センター(ExCELLS)および基礎生物学研究所の高田律子研究員、三井優輔助教および高田慎治教授らの研究グループは、大阪大学の内山進教授(生命創成探究センター客員教授)、産業技術総合研究所の佐藤主税研

    基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - Wntタンパク質複合体の凝集と解離が情報の拡散範囲を規定する 〜細胞の社会の中で情報が拡散するためには〜
  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 植物が強すぎる光エネルギーを逃がす新たな仕組みが見つかる

    自然科学研究機構 基礎生物学研究所 神戸大学 植物は、光のエネルギーを利用して二酸化炭素を固定し糖を合成します(光合成)。そのため、強い光のある環境の方が、より光合成を行うことができ植物にとって好ましい環境であると思われがちです。ところが、多くの場合地表に届く光は光合成装置の容量を超えており、直射日光にさらされた植物は危険にさらされています。この危険を避けるため、植物は強い光を浴びたときに、そのエネルギーをわざと逃がす、いわば“ガス抜き”のしくみを発達させました。qEクエンチングと呼ばれるこの“ガス抜き”のしくみは、環境が変動する中で植物が生き残るために必要なしくみでした。研究グループはこれまでqEクエンチングのしくみをさまざまに研究してきましたが、今回、紫外線の多い環境で育った緑藻を詳しく調べたところ、従来知られていなかった全く新しい仕組みが見つかりました。研究は基礎生物学研究所の小菅

    基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 植物が強すぎる光エネルギーを逃がす新たな仕組みが見つかる
  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 深層学習によって「蛇の回転錯視」の知覚再現に成功

    自然科学研究機構 基礎生物学研究所 立命館大学 自然科学研究機構 生理学研究所 基礎生物学研究所 神経生理学研究室の渡辺英治准教授は、同研究所の八杉公基研究員と立命館大学の北岡明佳教授、生理学研究所の坂貴和子助教、サクラリサーチオフィスの田中健太博士との共同研究によって、深層学習機が「蛇の回転錯視」が引き起こす運動知覚を再現することを、新たに発見しました。深層学習機は、脳の神経ネットワーク構造や動作原理を参照して設計された人工知能のひとつであり、近年、画像分類や音声認識など、幅広い分野で画期的な成果を収めているだけでなく、脳の動作メカニズムを研究するためのツールとしても期待が高まっています。今回研究グループは、大脳皮質の動作原理として有力な仮説のひとつである「予測符号化理論」を組み込んだ深層学習機によって、錯視の再現ができるかどうかを検証しました。深層学習機に、我々の日常生活などの自然な

    基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 深層学習によって「蛇の回転錯視」の知覚再現に成功
  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - リアルなヴァーチャルメダカ、メダカの群れ形成メカニズム解明に貢献

    基礎生物学研究所(神経生理学研究室)の中易知大研究員(現信州大学)、八杉公基研究員、渡辺英治准教授らと、九州大学の白石壮馬大学院生(現NEC)、内田誠一教授の研究グループは、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)アニメーションなどのヴァーチャルリアリティ技術を取り入れ、実物とほとんど見分けがつかない「ヴァーチャルメダカ」を作成し、これを用いることで、メダカが色、形、移動軌跡(全体的な動き)、体軸運動(尾ビレなどの局所的な動き)など様々な情報を駆使して、群れる相手を選択することを明らかにしました。色、形などの形態情報に加えて、移動軌跡、体軸運動などの運動情報を同時に統制・操作できるヴァーチャルメダカを開発することで従来不可能であった研究が可能になり、動物がどのように同種・異種を判断しているのかなど動物の群れ形成および視覚認知メカニズムの解明につながると期待されます。成果は科学雑誌PL

    基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - リアルなヴァーチャルメダカ、メダカの群れ形成メカニズム解明に貢献
  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 細胞分裂方向のコントロールに関わる"にょろにょろ"と伸びる新しい細胞内構造を発見

    細胞分裂は生物の最も基的なイベントの一つです。そして、生命現象の色々な場面で細胞分裂の方向が厳密にコントロールされることも良く知られており、古くから研究が行われています。 今回、基礎生物学研究所の根岸剛文研究員、上野直人教授、フランス国立科学研究センターの安尾仁良グループリーダーらの研究グループは、ホヤの発生過程において細胞分裂方向のコントロールに働く、新しい細胞内構造を発見しました。今回の研究で、①この新しい構造は、細胞膜の一部が細胞分裂に重要な小器官である中心体に向かって“にょろにょろ”と伸びることで形作られること、②そして最終的に中心体を引っ張る力を持つようになること、を見い出しました。この張力が細胞分裂の方向を決めていると考えられます。このような細胞分裂に関わる細胞内の膜構造は、他の動物種においてもこれまでに報告がなく、細胞分裂制御の理解に全く新しい視点を与えます。この成果は、2

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  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 過剰な光エネルギーを消去する実体、光合成タンパク質超複合体を発見

    基礎生物学研究所 環境光生物学研究部門の得津隆太郎助教と皆川純教授は、緑藻が光合成の許容量を上回る過剰な光エネルギーを安全に消去するために、特殊なタンパク質(LHCSR)を結合した巨大な光合成タンパク質超複合体を形成することを発見しました。研究は、植物の細胞内で光エネルギーを消去する実体を初めて捕らえたものであり、これまで不明な部分が多く残されていた光エネルギー消去の仕組みの完全理解が期待されます。この研究成果は、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)の電子速報版に米国東部時間5月27日に掲載されました。 強光条件下でのクラミドモナスの培養(得津隆太郎助教)

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  • プレスリリース - 生物の形態を定量的に記述する画像情報解析手法の開発

    自然科学研究機構 新分野創成センター 自然科学研究機構 基礎生物学研究所 生物の形態を定量的に記述する画像情報解析手法の開発 自然科学研究機構新分野創成センターイメージングサイエンス研究分野の木森義隆特任助教と基礎生物学研究所の真野昌二助教らの研究グループは、 数理形態学*1に基づく画像処理理論を用い、画像中から生物形態情報を抽出し、定量的に記述する手法を開発しました。この成果は、理論生物学専門誌 Journal of Theoretical Biology に掲載されました。 【背景】 生物科学の諸分野においては、解析対象の構造や動態は多様な方法で可視化され、画像として記録されます。研究を行うには、そのような画像データから情報を抽出して、生命現象をより理論的に捉えることが大切で、現在、数理モデルの構築やコンピュータシミュレーションを駆使して多くの取り組みが行われています。この実現のために

    プレスリリース - 生物の形態を定量的に記述する画像情報解析手法の開発
  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 酸化したペルオキシソームはオートファジーによって選択的に分解される

    植物のペルオキシソームは、「脂肪酸の分解」、「光呼吸」、「植物ホルモンの合成」といった植物の生育にとって非常に重要な代謝反応が行われる細胞内小器官の一つです。ペルオキシソーム内で行われる代謝は、過酸化水素が産生されるという特徴があり、ペルオキシソーム自体も徐々に酸化によるダメージを受けます。今回、基礎生物学研究所 高次細胞機構研究部門の柴田美智太郎 大学院生、及川和聡 研究員(現、新潟大学農学部)および西村幹夫 教授らの研究グループは、シロイヌナズナにおいて、ダメージを受けたペルオキシソームがオートファジーという仕組みによって選択的に分解を受けていることを示し、オートファジーがペルオキシソームの品質管理機構として機能していることを明らかにしました。この成果は、植物科学専門誌The Plant Cell 2013年12月24日号にて発表されました。また、同誌巻頭で研究が注目記事として紹介さ

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  • プレスリリース - メダカは動きで仲間を引き寄せる

    メダカは「メダカの学校」と呼ばれるように、群れをつくって泳ぐことが知られています。基礎生物学研究所(神経生理学研究室)の中易知大研究員と渡辺英治准教授は、バーチャルリアリティ技術を活用した行動解析実験により、メダカは、動きによって仲間を引き寄せていることを明らかにしました。この成果により、動物行動学において重要な研究テーマの一つである群れ形成に、動きという新たな研究の視点の重要性が示されました。研究成果は比較認知科学の専門誌Animal Cognitionに掲載されました。 群泳するメダカ [研究の背景] 人間を含めて多くの動物は、群れや集団を作って生活しています。群れや集団は、天敵への防御・生殖活動の効率化・社会的役割分担など、計り知れないメリットを構成員に与えます。水中で生活する魚類も例外ではありません。水族館で多種多様な魚が混泳する大水槽を観察すると、イワシやブリやマグロの群泳に

    プレスリリース - メダカは動きで仲間を引き寄せる
  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 植物の成長に必要な糖タンパク質をつくりだす酵素を発見 -50年来の謎を解明-

    植物の細胞を取り囲む細胞壁中には、動物には存在しない特殊な糖鎖構造を持つ糖タンパク質が多数存在することが1960年代より知られていました。これらの糖タンパク質には、細胞壁形成時の足場や補強剤としての役割を果たすものや、細胞間で情報を伝えるホルモンとして機能するものなど、植物の成長に極めて重要な分子群が含まれます。これまでにこれらの糖タンパク質にはアラビノースという糖が鎖状に連なって付加していること、および、糖鎖が付加することによってはじめてタンパク質のかたちが正しく維持されることが明らかにされていましたが、アラビノースをタンパク質に付加させるのに必要な酵素は未だ見つかっていませんでした。 今回、基礎生物学研究所(細胞間シグナル研究部門)の松林嘉克教授と大西真理研究員らは、シロイヌナズナの細胞に微量含まれるこの酵素を精製・同定することに世界で初めて成功しました。シロイヌナズナにはこの酵素をコ

    基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 植物の成長に必要な糖タンパク質をつくりだす酵素を発見 -50年来の謎を解明-
  • 基礎生物学研究所 / 研究報告 - 糖ペプチド−受容体シグナル伝達を介した根粒形成の遠距離制御

    <背景> マメ科植物は土壌細菌の一種である根粒菌と共生することで根にコブ状の根粒と呼ばれる器官を形成します。根粒では、宿主植物の細胞内に共生する根粒菌が窒素固定を行い宿主に窒素源を供給します。その一方で、宿主植物は光合成で得た炭素源を根粒菌との共生を維持するために消費しなければなりません。したがって根粒の過剰な形成は宿主植物の生育を妨げてしまうことになります。そのため、マメ科植物は自身の根に形成する根粒の数を制御する機構を持っています。しかもその機構は、これまでの知見から、宿主植物のシュートを介して全身的なものであることが明らかにされています。そのため、根−シュートの器官間シグナル伝達を介した根粒形成の遠距離制御モデルが提唱されています(モデル図)。このモデルでは二つの遠距離シグナル伝達因子が想定されています。一つは根粒形成の初期に根からシュートへ根粒形成を伝える根由来シグナルです。もう一

    基礎生物学研究所 / 研究報告 - 糖ペプチド−受容体シグナル伝達を介した根粒形成の遠距離制御
  • マメ科植物の根粒の数を制御するシグナル分子の構造を解明

    ダイズやインゲンなどのマメ科植物は、普通の植物が生育できないような養分の少ない土地でも生育できます。これはマメ科植物が、根粒というこぶ状の器官の中に、空気中の窒素を栄養分として利用する能力を持つ根粒菌という微生物を住まわせているためです。このしくみをうまく維持するために、マメ科植物は環境に応じて根粒の数を調節しているのですが、この調節に関わるシグナル分子については、20年以上も前にその存在が予想されながらも、分子実体は謎に包まれていました。今回、基礎生物学研究所の研究グループ(岡暁研究員、松林嘉克教授、川口正代司教授ら)は、植物内にごく微量含まれるこのシグナル分子を捉え、その構造を解明することに世界で初めて成功しました。この成果は、将来、空気中の窒素を栄養分として利用する能力をマメ科以外の植物にも付与するための基礎研究のひとつとして大きな前進です。この成果は、8月12日に科学雑誌Natu

    マメ科植物の根粒の数を制御するシグナル分子の構造を解明
  • プレスリリース - 細胞分裂で仕切りを作る過程を見ることに成功

    自然科学研究機構 基礎生物学研究所 法政大学 東京大学 新領域創成科学研究科 植物細胞は1つの細胞の中に仕切りを作ることにより分裂します。基礎生物学研究所の研究グループ(村田隆准教授、野中茂紀准教授、長谷部光泰教授)は、法政大学(佐野俊夫准教授)、名古屋大学(東山哲也教授、笹部美知子特任助教(現・弘前大学准教授)、町田泰則教授)、東京大学(馳澤盛一郎教授)との共同研究により、仕切りができる過程を高解像度撮影することに世界で初めて成功しました。この成果は、6月17日に科学雑誌Nature Communicationsに掲載されました。 【研究の背景】 動物の細胞は2つにちぎれて分裂しますが、植物は1つの細胞の中に仕切りを作って分かれます。仕切りは細い中空の繊維(微小管)で編まれた「ゆりかご」(隔膜形成体)の中でできます(図)。細胞を2つに分けるため、ゆりかごは徐々に大きくなりますが、その過程

    プレスリリース - 細胞分裂で仕切りを作る過程を見ることに成功
  • 基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 葉緑体の状態に応じて葉が形を変える際のメカニズムを解明

    多くの植物の葉は、緑色で平たく幅広い形態をしています。緑色をしているのは、光合成を行う葉緑体が発達しているからであり、平たく幅広い形態は、広い面積で光を受けるのに役立ち、効率よく光合成を行うのに適しているのです。葉のこうした特徴は、「葉原基」と呼ばれる葉のもとから、葉の形がつくられる過程で出来上がってきます。 この葉原基の成長過程では様々な遺伝子の働きを必要とします。中でも、葉緑体が未発達な葉原基から葉緑体を発達させるには葉緑体が独自に持つ葉緑体ゲノムの働きが重要です。また、以前から葉緑体ゲノムの働きが抑えられたときに葉が細くなるという現象が報告されていました。このことから、葉緑体ゲノムと葉の形態との関連性が指摘されていましたが、その仕組みはわかっておらず、葉の形の研究における謎の一つでした。 今回、基礎生物学研究所の岡田清孝前所長と爲重才覚研究員らは、葉緑体ゲノムの働きが抑えられると、葉

    基礎生物学研究所 / プレスリリース概要 - 葉緑体の状態に応じて葉が形を変える際のメカニズムを解明
  • プレスリリース - マウス胚の体づくりの様子を高精度で捉えることに成功

    我々ヒトを含む動物の胚は、まず外胚葉、中胚葉、内胚葉と呼ばれる基的な3種類の構造が作られ、これらがさらに複雑な組織を形作っていきます。基礎生物学研究所の市川壮彦研究員と野中茂紀准教授らのグループは、理化学研究所、欧州分子生物学研究所(EMBL)との共同研究により、この基的な体の構造が作られる時期のマウス胚を、生きたまま、今までにない高時間解像度で長時間観察することに成功し、この時期の細胞移動の様子を明らかにしました。この結果は米国科学雑誌「PLoS One」電子版7月8日号に掲載されました。 [研究の背景] 受精後6.5日(ヒトでは17日頃に相当)のマウス胚は、図1に示すようにお椀状の構造をしています。このお椀は、当初は2層の細胞のシートから成りますが、やがて内側の層(エピブラスト)の特定の領域(原始線条)において、その一部の細胞が外側の層(臓側内胚葉)との間の領域に飛び出し、さらに広

    プレスリリース - マウス胚の体づくりの様子を高精度で捉えることに成功
  • プレスリリース - R3 RPTPサブファミリーが多数のRPTKを基質にしていることを発見

    基礎生物学研究所・統合神経生物学研究部門の野田 昌晴 教授の研究グループは、受容体型タンパク質チロシン脱リン酸化酵素(RPTP)のR3サブファミリーに属する分子群が、多数の受容体型タンパク質リン酸化酵素(RPTK)を基質分子とし、それらの活性を制御していることを見出しました。RPTKは生体内の情報伝達において重要な役割を果たしており、RPTKの異常によって癌や成人病などの様々な疾患を発症することが知られています。今回の成果は、R3 RPTPサブファミリー分子の生理機能を明らかにする上での重要な基盤となるとともに、R3 RPTPサブファミリーの活性制御を通して、それらの基質となるRPTKの活性を制御するという新しい技術の開発につながるものです。研究成果は、Journal of Biological Chemistryに掲載されました。 [研究背景] タンパク質のチロシンリン酸化による情報伝

    プレスリリース - R3 RPTPサブファミリーが多数のRPTKを基質にしていることを発見