遊歩道の縁石に上がって駆け出す6歳のR君と、それを追いかけるうちの6歳息子・ハル。 「あのね、俺が高いところを見つけると必ず上っちゃうのは、木から下りられなくなったネコを見つけたときに、助けてあげるための訓練をしているからだよ!」 こちらを笑顔で振り返り、きっぱりと言うR君。 「ネコを助ける……?」「訓練……?」 と、息子とわたしが首をかしげていると、 「ふふふ、『りゆうがあります』ね」 と微笑むR君のお母さん。 「えっ?R君が考えた理由なの?」 「ううん、そういう面白い絵本があるの。ハル君とのんちゃん(わたし)も、良かったら読んでみて!」 読書家で本選びのセンスがいい彼女のおすすめならばと、わたしは次の休日にその絵本を買いに出かけました。