短距離レース向きか、長距離向きかの競走馬サラブレッドの距離適性の見極めに使えそうなDNA配列の個体差を、アイルランドのダブリン大のグループが見つけ、米科学誌プロスワンに発表した。競走馬の成績とDNAの個体差の関連が示されたのは初めてという。 グループが注目したのは、犬や牛で筋肉形成への関与が知られているミオスタチン(MSTN)という遺伝子のDNA配列の変異の有無。両親から、それぞれCかTのタイプを受け継ぐDNA型を、(1)両親からMSTNの変異を受け継いだC/C(2)片親から受けたC/T(3)変異のないT/T――の3タイプに分けた。 1998〜2009年にアイルランドとニュージーランド生まれのサラブレッド148頭について、各馬が生涯を通して勝ったレースの中で最も格付けの高かったレースを対象に、距離別にDNA型との関連を調べた。 すると、1200メートル以下ではC/C型が最も多く、距離