フランスのストラスブール市とモンペリエ市は、9月1日から未成年者などを対象に、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関の利用を無料化した。これは、エコロジカルかつエコノミックな目的をもつ施策だ。だが、交通機関の無料化は本当に環境に良いのだろうか? ◆環境・社会・経済的側面 ストラスブール市で対象となる交通機関はトラム6線、バス40路線、スクールバス13路線。対象地域の未成年者数は約8万4200人。これは、ヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV)に属するストラスブール市長の2020年の選挙公約に沿う決定でもある。(フランス・ブルー、2/23) 年間経費600~700万ユーロ(約7.7~9億円)と見積もられる無料化政策の目的は、若い世代に公共交通機関の利用を根付かせ、子供の送迎の乗用車利用を減らすことで大気の質を改善し、市民の購買力を高めるというものだ。試算によれば、子供が2人いる世帯では一年