太陽系を旅する探査機の運用では、地球上のアンテナを使って探査機と信号を毎日送受信していますが、時にはその距離が数百万キロメートルに及ぶこともあります。これらの信号は探査機に到着するまで、そして地球に戻ってくるまでに広大な宇宙の空間と時間を旅してくることになるのですが、このことからいろいろと面白いことがわかります。一方で、探査機を意図した通りに運用するためには苦労があるようです。 ■ 火星探査機との「日記」のやり取り欧州宇宙機関(ESA)のSimon Wood氏は、火星探査機「マーズ・エクスプレス」に携わる技術者の一人です。マーズ・エクスプレスは2003年に打ち上げられた歴史あるミッションで、Simon氏は長い間この仕事をしてきました。Simon氏はマーズ・エクスプレスのことを熟知していますが、それでも通信にはいつも問題があったと言います。「惑星間のミッションをコントロールするには忍耐が求め
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