年末年始を控え、政府が雇用情勢に神経をとがらせている。景気の二番底が懸念される中、失業者が大量に街にあふれて「年越し派遣村」が再現されるような事態になれば、政権にダメージとなる。対策を矢継ぎ早に打ち出すことで、それを防ごうと躍起だ。 (関口克己) 菅直人副総理兼国家戦略担当相は先月末、都内の「ハローワーク渋谷」を訪問。ここでは、職業紹介のほか、生活費の融資や生活保護の相談もできる「ワンストップ・サービス」を試行している。 菅氏は視察後、「年末年始、派遣村のような形にならずに対応できるように力を入れたい」と強調した。昨冬は、国会近くの日比谷公園にできた派遣村について「天災ではなく人災だ。責任は政治にある」と語っていただけに危機感は強い。