【北京=矢板明夫】中国外務省の秦剛報道官は18日の定例会見で、「北朝鮮の金正日総書記の三男、正雲氏が6月10日前後に訪中し、胡錦濤中国国家主席と会談した」などとする朝日新聞の一連の報道について、「報道された事実は存在しない」と明確に否定した上で、「まるで『007』(英作家、イアン・フレミングのスパイ小説のこと)を読んでいるようだ」と述べた。 朝日新聞はまず16日付の1面トップで、「正雲氏が金総書記の特使として中国を極秘に訪れ、胡主席らと会談し、後継者に内定したことが直接伝えられた」と報道。同日の外務省の定例会見ではこれへの質問が相次ぎ、秦報道官は「中国側はこの件について承知していない」と述べ、婉曲(えんきょく)な表現で事実上、報道を否定した。 その後、18日付の朝日新聞はさらに1面などで、「正雲氏と胡主席との会談に金総書記の長男、正男氏も同席していた」「正雲氏は深●(=土へんに川)、上海な