奈良県天川村の弥山(みせん)(1895メートル)に登山に入った島根県土木部長、冨樫篤英さん(53)=松江市内中原町=が今月9日朝から行方不明になり、22日正午ごろ、弥山山頂から北西約4キロの栃尾辻近くの登山道にいるところを13日ぶりに登山者の男性(48)が発見した。冨樫さんは奈良県のヘリコプターで病院に搬送され、衰弱しており、腰などの骨を折っていた。奈良県警吉野署によると、冨樫さんは「わき水を飲んで過ごし、滑落した(崖の)下からはい上がってきた」などと話しているという。 吉野署によると、発見した登山者の男性が声を掛けると、冨樫さんは「2週間ほど遭難していた。たった今、下からはいあがってきた」と話し、男性が持っていたおにぎり2個を手渡すと食べたという。冨樫さんは9日に滑落し、2日ほど体が痛くて動けず、3日目に近くにあったわき水を初めて飲んだ。21日になり痛みが和らぎ、天気もよくなったので、