森友問題で国税庁長官を辞任した元財務省理財局長の佐川宣寿氏について、今月、麻生太郎財務相は「きわめて有能だった」「国税庁長官に選んだことは間違っていなかった」と発言し、物議を呼んでいる。停職処分3カ月相当を課され、職員を自死に追い込んだ問題の責任者を「有能」だと言う懲りないトップのこの対応には違和感を覚える。まるでワンマン経営者の飲み会での質の悪い放談である。伝わってくるのは、権力者の驕りの姿勢でしかない。 国、値引きの理由をこっそりと大変更 国は森友問題の核心点である国有財産の値引き理由を、根本的に変更しつつある。当初、森友学園の小学校建設予定地の深部からごみが2万トン見つかり、撤去に8億円かかったと「2万トン説」を国は主張していた。今では、埋設ごみの撤去に時間がかかり開校が遅れ訴訟を起こされれば、賠償金を支払う羽目になるので格安で契約した、という「訴訟リスク説」へ変更した。「2万トン」