アディ・ギル号の漂流物から回収された長さ約80センチの矢=日本鯨類研究所提供ロープ2本が切れ、南極海を漂流するアディ・ギル号=日本鯨類研究所提供 水産庁は8日、南極海で調査捕鯨船団の監視船と衝突した米国の反捕鯨団体シー・シェパード(SS)の小型高速船「アディ・ギル号」の漂流物から長さ約80センチの矢4本を回収したと発表した。殺傷能力の高いボーガンの矢とみられるが、これまでに使用が確認されたことはないという。 同庁によると、破損したアディ号は航行不能のため、仲間の船に引航されていたが、日本時間8日午前0時ごろ、2本のロープが切れ、同3時ごろ海上に放棄された。沈まず、漂流しているという。矢は長靴や瓶などと一緒に多数流れ出ている。付近には筋状に約3キロにわたって油も流出しているという。 アディ号は3隻確認されているSSの船の一つで、昨年12月から妨害行為に加わっていた。