【ワシントン=渡辺浩生】秋の米中間選挙で最大の争点となる雇用情勢の悪化は、オバマ政権にとり致命傷ともなりかねない。とりわけ米経済は、戦後例がない長期失業者の急増に悩まされており、短期間で再就職できた柔軟性の高い米労働市場は、失業期間が長い欧州型に近づいているといえる。政権は失業保険給付期間の延長法を成立させたものの、急場しのぎにすぎず、効果的な対策に窮している。 バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は21日の上院年次経済報告で、米経済の見通しを「非常に不確実だ」と指摘し、その要因の一つとして「失業者のほぼ2人に1人は、半年以上職がみつからない」という現状を挙げた。 米労働省によると、全米の失業者は1460万人。このうち46%が27週間以上の長期失業者で、記録が残っている1948年以降、最も高い水準にある。1年以上職が見つからない者も、4人に1人にのぼる。 米労働市場は元来、退職、解