タイトルにつけた「フェミニズム以後」というのは、フェミニズムが終わったあとという意味ではない。そうではなくて、これはフェミニストによる批判を踏まえてなお、ひとがオタクであるとはどういうことか、どのようにあるべきか、という問いだ。 オタクであることはしばしば、フェミニズムと敵対することだとみなされている。インターネット上には、オタクからフェミニストへの、そしてフェミニストからオタクへの罵詈雑言が無数に散らばっている。それらは多くの場合、まともな対話や議論のていすらなしておらず、たがいへの敵意と悪意だけがむきだしになっているように見える。 じっさい、ツイッターやフェイスブックをはじめとするSNSが普及して以降、オタクとフェミニストは幾度となく衝突してきた。たとえば、人工知能学会の学会誌の表紙が女性蔑視であると批判され、炎上したのが2013年。2015年には三重県志摩市のご当地キャラクター「碧志