最近、中国関連の報道で目立つのが「これから中国版の失われた30年が始まる」という論調だ。 果たして中国経済は、日本がたどってきたのと同じように30年の長きにわたって失速し続けるのか。先に答えを示せば、「そんなことはあり得ない」である。 確かに今の中国は、経済も内政も何もかもがうまくいかない、まるで“満身創痍”の重病人だ。 世界を驚愕させた「一帯一路」も開店休業状態にあり、中国経済の起爆剤であった不動産は完全に破綻。関連産業や地方政府は膨大な負債を抱え、経済成長の足かせになっていることは間違いない。 輸出入額も減少する一方で、しかも経済の基礎である人口動態も、ついに減少に転じた。 この状況をみてエコノミストは、中国が日本と同じように「失われた30年をたどる」と指摘しているのだが、重要なことを見過ごしている。 日本を振り返ると、1990年代半ばからデフレ状態が続いていた。物価安、企業の収益悪化
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