![“バス旅番組”の面白さはバスの弱点のおかげ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/01b8999a520515255b2b56372cdf3c927af78192/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkei.com%2Fatcl%2Fopinion%2F16%2F271723%2F031700001%2Ffb.jpg)
政府がマスクを配布してくれるのだそうだ。 このニュースをどう受け止めるべきなのか、いまだに自分の中で整理がついていない。 なので、思いついた順序で、思いつくまま感想を書き並べることにする。こういう話題にはこういう断片的な書き方で対処するほかに方法がない。「こういう話題」というのはつまり、度外れてバカげた話ということだ。こんなバカな話をいじくりまわすのに、緻密な書き方や論理的な記述法がマッチするとは思えない。私はだらだらと書く。読者のみなさまも、できればだらだらと読んでほしい。 全国5000万世帯に一世帯あたり2枚の布マスクを配布するという、このおどろくべき計画を聞いて、まず私が思い浮かべたのは、東京五輪の暑さ対策として発案されたいくつかのプランとの類似だった。 これらについて、私は、昨年の9月に書いた当欄の記事の中で 《多くの勤勉な日本人は、無駄な努力であっても何もしないよりはマシだと考え
今回は、「桜を見る会」の話をするつもりでいる。 このあまりにもベタで生煮えな話題を、あえていま騒動の渦中にあるタイミングでまな板に載せることにした理由は、私自身が「桜を見る会」まわりの問題を重視しているからというよりは、いまのうちに取り上げておかないと、来週の今頃にはすっかり風化しているだろうと考えたからだ。 桜は満開から3日後には早くも散り始める。この種の話題は、風化が早い。 そう判断したからこそ、官邸は中止の決断を急いだのだろう。 「なあに、さっさとテントを畳んで撤収すれば、じきにいつまでも跡地で騒いでいる連中の方が間抜けに見えるようになる」 という判断だ。 そして、その彼らの判断は、おそらく間違っていない。 メディアは3日で飽きるだろうし、野党が粘ったところで国民の関心はどうせ1週間ももたない。われわれは匙を投げるだろう。 「やめるって言ってるんだからもういいじゃないか」 と、そうい
10月9日、トヨタ自動車で「秋季」労使交渉が開かれた。1969年に年間ボーナス(一時金)の労使交渉を導入してからこれまで、延長戦に突入したことは一度もない。 異常事態である。 ふたを開ければ満額回答で、冬季の一時金を、基準内賃金の3.5カ月、2018年冬季比16%増の128万円にすると決めた。日経ビジネスは半年間にわたる延長戦の内実を取材。満額回答に至る裏側で、トヨタの人事制度がガラガラと音を立てて変わろうとしていた。 春の交渉では、労使のかみ合わなさがあらわになった。13年ぶりに3月13日の集中回答日まで決着がずれ込み、結局、一時金について年間協定が結べなかった。「夏季分のみ」という会社提案を組合がのみ、結論を先延ばしにした格好だ。 きっかけは、その1週間前だった──。 3月6日に開かれた第3回の労使協議会は、異様な雰囲気に包まれていた。「今回ほどものすごく距離感を感じたことはない。こん
昨年4月に始まった個人情報開示調査のうち、楽天とLINEについては、実はいまだに終わっていない。 両社はまず、個人情報保護法のガイドラインのある条項を盾に開示に応じなかった。しかし、個人情報保護委員会は日経ビジネスの調査を受けて、両社の対応を「ガイドラインの解釈を誤っている」と批判。ガイドライン自体も改正した。 ユーザー本人が個人情報の開示請求をすることは法律が認める権利だ。しかし、今回の調査を通じて、「全個人情報の開示」に応じることが技術的に簡単なものではないことも判明した。そのため、開示に応じないこと自体がどこまで社会的に責められるべき問題なのか、理由次第で議論の余地がある。このことは連載の第3回で詳しく解説する。 ただし、開示に応じられないならば、そのことは理由とともに消費者に説明されるべきだ。そうすれば、消費者は開示ができないことも考慮した上で、サービスを利用するか否かの選択ができ
育児休暇からの復帰直後に転勤を内示したことや、有給休暇の取得を認めなかったことなどがツイッターで指摘されているカネカ。「当社の社員であるとはっきりするまでコメントを控える」としてきたが、日経ビジネスの質問に対して初めて同社IR・広報部が回答した。 同社は、日経ビジネスが入手した、同社の角倉護社長が社員に宛てたメールに対し、「当該メールに関するご質問に対しては、内容の補足説明として」回答するとした。 日経ビジネスからの質問と、それに対するカネカIR・広報部の回答は以下の通り。 社長からのメールの中で、SNSの書き込みに対して「正確性に欠ける内容」との指摘があった。正確性に欠けているのは具体的にどういった内容か。 細かな事実関係についてコメントさせていただくと元社員の方の個人的な情報にも及ぶこととなるため差し控えさせて頂きます。「転勤の内示が育児休業休職(以下育休とします)取得に対する見せしめ
夫に育休から復帰後2日で転勤辞令が出たことや、有給休暇の取得を拒否されたことなどがツイッターで告発され、ネットでの炎上が続くカネカ。本誌が6月3日付け「「育休復帰、即転勤」で炎上、カネカ元社員と妻を直撃」で報じたとおり、同社IR・広報部は「当事者が当社の社員であるとはっきりするまで事実の有無を含めてコメントできない」との姿勢を崩さなかった。 一方、日経ビジネスの取材で、3日中にカネカの角倉護社長から社員宛てに、今回の炎上に関するメールが出されたことが分かった。複数の同社社員が認めた。 メールでは「育児休業休職直後に転勤の内示を行ったということはあります」として夫婦の主張の一部を認めたほか、「当該社員に誤解を生じさせたことは配慮不足であった」として、広報のコメントとは一転して、ツイッターでの発言主の夫が同社の社員だったことも併せて認めた格好だ。 角倉社長からのメッセージを以下に全文掲載する(
ミュージシャンで俳優のピエール瀧さんがコカインを使用したとして逮捕された。 逮捕されたということは、ここから先は、「ピエール瀧こと瀧正則容疑者(51)=東京都世田谷区」といったあたりの主語を使って原稿を書き進めるべきなのだろうか。 なんということだ。 最初の、主語の選び方の時点で気持が萎えはじめている。 個人的に、平成の30年間は、この種の事件に関連する原稿を書くに当たって、メディア横断的な横並び圧力が強まり続けてきた30年だったと感じている。特に、犯罪に関わった人間を扱う際の主語や敬称の使用法がやたらと面倒くさくなった。 なんというのか、 「主語の運用において、礼法に則った書き方を採用していない書き手は信用に値しません」 みたいな、七面倒臭いマナーが、業界標準として定着してしまった感じを抱いている。 「ハンコを押す時には、相手の名前に向かって軽く頭を下げる角度で押印するのがビジネスマナー
東芝など、粉飾決算をきっかけに経営が傾く大企業が相次いでいます。不正は会計の数字だけでなく、企業倫理をも腐らせてしまいます。にもかかわらず、一部の日本企業は不正会計をやめようとはしない。なぜでしょうか。 久保利英明弁護士(以下、久保利):基本的にバレないからでしょう。周囲がみんな不正しているのに、自分だけやらないのは損だと思っているのかもしれません。 古い体質の日本企業は、有価証券報告書の虚偽記載を軽く考えすぎです。粉飾決算と言われると気にするけれども、虚偽記載と表現されると(実質的な危険を伴わない)「形式犯」と見なしてしまう。不正会計の結果として数字が多少上下しても、会社の実態が変わらなければ問題ない、というわけです。 厚生労働省の統計不正でも同じですが、日本人は数字の話になると「矮小」で「些末」なことだと考えがちです。言語ではなく数字によって真実を表現するのが決算の目的です。会計数値の
2018/11/13 16:11 車検費用が利権ビジネスと主張する人が、見積料金、説明に要した時間の人件費を払うのでしょうか? 不透明な部分があることは否定できないですが、過大要求によるただ働きを強要しているように思います。 2018/11/06 11:21 まさにこの通りだと思います。拡散されて皆に知ってもらいたい。 2018/11/06 09:21 車検ビジネスが既得権の塊、闇の世界だというのは周知の事実、税金も手放すハズが無いだろうから車検も無くなることはないだろう。 いま、国会を賑わせる入管難民法の改定で自動車整備業界の人手不足を補ってまで車検制度を維持していかなければならないのかの方が問題ではないのか。 全てのシステムが移民に頼るようになったら日本でなくなってしまうが、それでも良いというコンセンサスが持てるのだろうか。そういう問題意識が全くない、問題として認識させずに誤魔化してい
5月21日、栗城史多さんの所属事務所は、同氏のフェースブックページ「栗城史多 "SHARE THE DREAM” (Nobukazu Kuriki "Sharing the Dream")」において「エベレストで下山途中の栗城が遺体となり発見されました」と発表しました。謹んでお悔やみ申し上げ、2013年3月11日号『日経ビジネス』の記事を再録いたします。 「彼は登山家なのだろうか」 日本を代表する女性登山家、谷口けいは、栗城史多に対してそんな思いを抱いている。谷口は栗城と対談したり、食事に行ったりと、公私にわたって交流がある。だが、同じことを生業にしているはずの谷口には、今年31歳になる栗城を言い表す適切な言葉が思い浮かばない。 栗城は大学3年生の時に北米最高峰のマッキンリー(標高6194m)に登頂、その後、7大陸最高峰のうち6つの山を登っている。8000mを超える山もヒマラヤ山脈のダウラ
財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑は、やたらとツッコミどころが豊富なニュースで、それゆえ、この話題を伝えるメディアは、どこに焦点を当てて良いのやら混乱しているように見える。 この不可解な偶発事故のために、本丸のいわゆるモリカケ問題への追及を、一時的にであれ手控えたものなのかと訝しみながら、それでも彼らは、このネタに全力でくらいついている。 それほど、この事件は、扇情的かつ洗浄的ならびに戦場的で、つまるところ、やっぱり面白い。だからメディアは追いかけざるを得ない。 私自身、ここまであらゆる方向からネタになる素材を前にすると、しばし考え込んでしまう。 マタタビ輸送車両の自損事故現場に遭遇した猫みたいな気分だ。 官僚としての自覚だとか責任だとかいったデカい主題のお話は、すでに無数の論者によって語り尽くされている。いまさらそんな場所に出かけていって、屋上屋を重ねようとは思わない。 といって、細
ウナギが不漁らしい。 毎日新聞によれば、 《絶滅危惧種ニホンウナギの稚魚シラスウナギが今期は極度の不漁で、国内外での漁獲量が前期の同じころと比べて1%程度と低迷している。漁は4月ごろまで続くが、このまま推移すれば過去最低の漁獲量となりかねない。--略--》ということのようだ(こちら)。 特に驚きはない。 むしろ、ニュースの第一報に触れて 「当然だろうな」 と思ったというのが正直なところだ。 さらにもう少し率直な感想を述べるなら、私は 「自業自得だよな」 という感慨を抱かずにおれなかった。 「ざまあみろ」 とまでは思わないものの、ニュース原稿の中で不漁を嘆いている関係者に対して、真摯な同情を寄せる気持ちにはならない。 というのも、このニュースは、かれこれ10年以上も前から、様々な立場の人々が異口同音に指摘し、予告し、警告し、懇願し、提言し、あるいは叱責罵倒非難問題提起してきた話題の延長線上に
またもや「日本最下位」である。 これまでにも「日本最下位」という報道を取り上げると、 「いい加減、海外と比較するのを止めろ!」 「海外と比較して、なんか意味あんのか?」 と激しく抵抗する意見を目の当たりにしてきた。 でも、やはり今回も取り上げます。 だって外と比較することは、外のまなざしを捉えること。問題点に気付くこともできれば、「へ?、私たちって案外恵まれてんだ?」と納得することもある。 世界から日本が置いてけぼりを食っていることがあれば、それを素直に受け入れるべし。……となんだかしょっぱなから好戦的な物言いで申し訳ない。が、それほどまでに今回の「最下位」は懸念すべき事案だと考えている。 というわけで、今回のテーマは「最下位の未来」です。 「日本最下位」を報じたのは日経新聞。 「社員再教育 日本は最下位」との見出しが、1月10日(夕刊)の一面にデカデカと踊ったのだ。(以下、内容を抜粋)
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