ヘロインを注射する翡翠鉱山の労働者(右)。薬物依存症者の治療・更生施設を運営するジャカシン・タンローさん(45)が寄り添う(写真:ジャカシンさん提供)この記事の写真をすべて見る ジャカシンさんの治療施設には2月、82人が滞在していた。治療期間は平均約1年で、農作業やスポーツ、聖書の勉強などをして過ごす(写真:ジャカシンさん提供) ミャンマーで雇い主が鉱山労働者に麻薬依存症に陥らせる――。そんな悲劇が実際に繰り返されている。コロナ禍のいま、職を失った貧困層が増えて麻薬市場は勢いを増すばかりだ。AERA 2020年8月31日号は、過酷な現実をリポートする。 【写真】現地の治療施設はこちら * * * 密売組織の勢力拡大はミャンマー国内でも進んでいる。ヘロインとともに広く出回っている「ヤバ」と呼ばれる低純度で安価な覚醒剤の錠剤が今、若者から主婦層にまで幅広く浸透しているという。 自身も15年