社会党との政権共闘の可能性が失われる前後から、共産党は「革新の陣地」を広げる戦略を採用する。もはや社会党に頼れなくなったので、労働者、中小業者、女性、青年、学生などの各分野で、安保条約廃棄を掲げる革新勢力の陣地を広げ、独自に多数になる道である。 それぞれの分野にそれを担う団体があるので、その陣地を拡大していくわけだ。私は当時、全学連の委員長をしていて、「これは全学連の加盟自治会を増やすことが大事だ」と考え、かなりの数の加盟を勝ち取り、その年(79年~80年)のトピックとなったと思う。その全体を包括するものとして、いわゆる「革新懇」が結成される。 これは、昨日の最後に論じた「政策の正しさ」プラス「政策の実現可能性」という視点で言うと、「政策の正しさ」に重点を置いた戦略だった。「正しいことはやがて多数になる」という戦略である。 しかし、それで通用するなら、この40年間、多少の浮き沈みはあっても