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20年以上前になるのだが、学生の頃にチェルノブイリ原子力発電所事故が起きた。 私はすでにスリーマイル島(TMI)原子力発電所事故の経験を経て原子力というものに疑問を持っていたのだが、チェルノブイリはハッキリと原子力反対、へと押しやった。当時、物理学科の仲間にもそうした意見を表明する者も少なくなく、我々はささやかではあるが「反原発」活動を始めた。 今でも鮮明に覚えているのが、学科の教授達を交えた討論会で、学生・教員の区別無く「原発は是か非か」について話し合った。 意外というべきか、教授の中にはハッキリと反原発の立場に立つ先生もいた。核物理の教授は「原子力は必要だ。安全措置を施してある日本の原発で事故が起きることはありえない」と述べた。 だが、大方の先生の意見はこうだった。 「原子力は既に電力の4分の1を占めている。代替手段が無ければ原子力は仕方がない」 つまり、消極的賛成、という事だ。 その
放射性物質が広範囲に拡散し、予断を許さない深刻な状況が続く福島第一原発。4月4日には、東京電力は国の基準値の約100倍に相当する濃度の「低レベル」汚染水約1万1500トンを海に放出する異例の措置に踏み切った。タービン建屋地下などに滞留するさらに高濃度の汚染水の回収先を確保するための応急措置であり、放出による人体への影響はないと東電・政府側は説明しているが、事態悪化を招いた両者への不信感は根強く、放射性物質の大気中への拡散や土壌汚染リスクがさかんに報じられるなかで、国民の不安は拭えない。はたして現状の放射線は本当に心配のないレベルなのか。陸海の多様な生物も汚染される中で、長期的に見た場合、放射線の累積量に本当に懸念はないのか。1986年のチェルノブイリ原発事故でソ連政府(当時)に依頼されて現地で救命活動に従事した放射線被曝治療の専門家、ロバート・ゲイル博士に話を聞いた。ちなみに、ゲイル博士は
典型的な「理科系少年」として育った私にとっては、原子力発電は宇宙旅行や人工知能とならぶ「人類の英知を集めた科学技術の結晶」であり、あこがれでもあった。ブルーバックスの相対性理論に関する本はすべて読んだし、アインシュタインの書いた e=mc2 という式は私にとってはまさに「人類の英知」を象徴するシンボルであった。高校時代の前半までは、自分は物理学者になると確信していたぐらいだ。ひょんなきっかけからコンピューターの世界に足を踏み入れ、ソフトウェア・エンジニアとしての道を歩むことになったが、科学技術全般に対する情熱は今でも持っている。 そんな私なので、今までは当然のように「原子力発電」の支持者であった。資源の乏しい日本にとって「石油が不要で、二酸化炭素を放出しないクリーンな原子力発電」こそ日本にふさわしい発電方法であると信じていたし、自動車・エレクトロニクスに続く輸出産業としての原子力に期待もし
MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説が反響を呼んでいますが、これを執筆したOehmen氏は原子力の専門家でなく、内容が必ずしも正確でないことが指摘されています。そこで、MITの名前で広がってしまった責任を取るかたちでMIT原子力理工学部(NSE)の学生有志が学部の協力を受けてmitnse.comを立ち上げ、改訂版を公開しました。 これをGoogle Docsを使って複数人で協力して和訳し、さらに注をつけたので、以下に掲載します。翻訳と校正の過程はGoogle Docs上の記事を直接見ればお分かりいただけると思います。 注意: この記事は福島第一原発の最新の状態を解説したものではありません。福島第一原発事故関連で日本語の良質な記事・ニュースソースをご覧ください。また、この記事のほかにも様々な記事が翻訳済みです。翻訳記事の一覧はMIT原子力理工学部による原子力
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