共同通信社が15、16両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は41.0%で、1月の前回調査から8.3ポイント下落した。不支持率は46.1%。2018年3月以来の大幅な急落。
第4次安倍改造内閣が発足してから3カ月弱。あの大臣は、大方の予想を裏切ることなく、きっちりとやらかしてくれた。 あの大臣とは、言わずと知れた桜田義孝五輪・サイバーセキュリティー担当相だ。就任直後より、過去の失言や問題発言から、「最も失言しそうな、何かやらかしそうな大臣」として、メディアではその名が挙がっていたから、予想は的中したと言える。 自我の防衛機制が働いたことによる発言 大臣として国会で蓮舫参議院議員と初対決し、汗だくのしどろもどろ発言で話題になってからわずか1カ月ちょっと。意気消沈したかと思いきや、その後は強気の発言さえ出てくるのだから、驚くほどの変わりようだ。 では桜田氏が強気になってきた裏には、いったい何があるのだろう。話題となった彼の発言を探ってみると、そこにはいくつもの認知バイアスが潜んでいることがわかる。「認知バイアス」とは人の心の中にある偏りや思考のクセだ。 11月5日
政府のサイバーセキュリティー戦略本部の担当大臣である桜田義孝五輪相(68)は14日、衆議院内閣委員会で、これまでパソコンを自分で使用したことがない事実を明かした。桜田氏は今国会で審議予定のサイバーセキュリティー基本法改正案の担当閣僚。野党からは再度、大臣としての資質を問う声が噴出した。 不安定な答弁が指摘されている桜田五輪相はこの日も、気になる答弁を連発した。立憲民主党会派の今井雅人議員からサイバーセキュリティー関連の質疑で「ご自身でパソコンは使うか」と聞かれ、「25歳の時から独立し、そういうことは常に従業員、秘書に指示をしてやっているので、自分でパソコンを打つということはない」と言い切った。 今井氏は「サイバーとはネット空間のこと。パソコンをいじったことがない方が、サイバー空間のセキュリティー対策をするなんて信じられない」とあきれた。桜田氏は「国の総力を挙げて総合的にやること。落ち度がな
日本でのサマータイム導入話は、何度消えてもしつこくぶり返す、もはや夏の怪談話という感じだ。 従来、サマータイムを正当化する利点は、省エネをはじめとして全てあやふやだった。「エネルギー消費の中心が空調の近代では、サマータイムは省エネにはならず増エネ」というのが実測値に基づく結論。「終業後の消費喚起」も、ビアホールや花火大会など日没後の消費が大きい日本ではプラスマイナスゼロ。むしろ今年の酷暑を考えると「終業後にテニス」といった需要は非現実的だろう。 そこで推進派、今度は2020年東京オリンピック・パラリンピックの酷暑対策を持ち出してきた。競技時間--特にマラソンの開始時間を大幅に繰り上げるべきだというのは大賛成。しかし単純に「マラソンは朝5時スタート」とすればいいだけで、それはダメだという納得できる理由を聞いたことは一度もない。 交通機関の臨時ダイヤとか観客向けのホテルの早めの朝食とか、関連す
麻生太郎財務相は15日の閣議後会見で、昭和23年に導入された夏の時間を繰り上げるサマータイム(夏時間)が4年間で終わった理由について、「(終わったのは)朝日新聞の責任だぞ」とまくし立てる場面があった。 朝日新聞の記者が、政府・与党が平成32(2020)年の東京五輪・パラリンピックの酷暑対策として、サマータイムの導入を検討していることについて質問。すると麻生氏は「確か俺の記憶だけど、違ってたらごめん」と付け加えた上で、「(当時の朝日新聞はサマータイム導入を)あおって書いたんだ。だけど良くないから止めた方がよいって(報道した)」と朝日記者に対して恨み節を炸裂(さくれつ)させた。 さらに「(止めるべきと)書いた最大の理由は、新聞記者が明るい最中だと夜に飲みに行きにくいから。それが事実だろ?」などと問い詰め記者を狼狽(ろうばい)させていた。 また、政府・与党が東京五輪・パラリンピック期間中のサマー
●拉致問題の安倍晋三を演出 内閣支持率うなぎ上りの怪 不思議なことだが、ここに来て安倍内閣の支持率が不支持率を上回る世論調査が数社から出ている。支持不支持が、逆転までいかないが支持率が下げ止まっている。安倍内閣の支持率と云うもの、安倍晋三が5年半も政権の座にいると、内閣支持率ではなく、安倍晋三個人への評価のバロメータ化しているのが実情のようだ。つまり、最近の内閣支持率調査は、安倍晋三に対する、その時々の時系列な、世間の寸評的要素が強くなったと言えるのだろう。 最近の世論調査の結果を分析する場合、その世論調査の、調査時期と安倍晋三が活動しているように見える“為政活動”がどれだけの時間量、テレビ画面に映っているかが重要なファクターとなり、調査結果に反映するのではないかと考えるようになってきた。そもそも論で言えば、各メディアのお手盛りデータに過ぎないと云う疑念もつきまとうが、それを言ってしまうと
時間外労働に上限規制を設ける一方、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す制度の導入などを盛り込んだ、働き方改革関連法案について、自民党の総務会で法案審査が行われましたが、中小企業への配慮を求める意見が出され、了承は見送られました。 3日、自民党の総務会で法案の審査が行われ、一部の出席者が「時間外労働に上限規制を設けることは、人手不足の中小企業にとっては脅威であり、配慮が足りない」として、法案の対象から中小企業を外すよう強く主張しました。 これを受けて総務会は、法案を3日了承するのは見送り、改めて議論することになりました。 このあと、竹下総務会長は記者会見で「働き方改革そのものに反対だという意見はなく、必ず議論を収束させなければならない。今週中に法案を国会に提出するには、今週6日に閣議決定することが必要になるので、その前のどこかで総務会ができるかどうかも含めて検討したい」と述べました。
今回のテーマは「生産性」──。 先にテーマを書いたのには理由があるのだが(あとで説明します)、妙な方向に議論が進んでいる「裁量労働制拡大」と対で使われる「生産性」である。 1月23日付で「年収制限のない“定額働かせ放題”ってマジ?」で書いた通り、高度プロフェッショナル制度の陰でスポットを浴びてこなかった問題アリアリ法案が、安倍首相の答弁により注目を浴びることになったのは実に喜ばしい事件である。ひょうたんから駒? 自爆? 天のいたずら? はたまた「不正は必ずボロが出る」ということなのか。 ところが残念なことに、国会では「誰それの責任」だの、「安倍首相がホニャララと言ったとか言わないとか」本質的な議論とは程遠いやり取りが繰り返されている。挙げ句の果てには一年延期だのなんだのと、“違う名前で出ています”トリックが使われそうな空気が漂ってきた。 たとえ野党が求めるとおり今回での法案成立を政府が諦め
自民党の二階俊博幹事長は19日の記者会見で、学校法人「森友学園」と「加計学園」をめぐる疑惑について「小さな問題」との認識を示した。 衆院解散が断行されれば、野党側は国会で追及する機会が奪われるだけに、強く反発しそうだ。 安倍晋三首相が衆院解散の意向を固めたことに対し、民進党など主要野党は「森友・加計の疑惑隠しだ」と批判している。これに関して二階氏は会見で見解を問われ、「野党がおっしゃるのは自由だ。われわれはそんな小さなというか、そういう問題を隠したりすることは考えていない」と反論した。
ジェームズ・コミーFBI長官解任を伝えるニュース(ニューヨーク、5月10日) Spencer Platt / Getty Images 日米の政界を見比べていると、アメリカの方がまだマシな気がする。トランプ大統領の政治を決して肯定できない。しかし、アメリカでは、首脳に対するチェック&バランスが機能しているのに対し、日本は絶望的に見えるからだ。 トランプ大統領に解任された米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー前長官は6月8日、上院情報委員会で証言する。アメリカの、いや世界のトップに立つ人物が、FBIという司直当局の捜査に介入しようとしたのか。捜査当局のトップに自分への「忠誠」を示させようとしたのか。8日は、アメリカの政治史において、歴史的な日となるはずだ。 一方、日本の安倍晋三首相は、海外から見ていると、辞任するしかないと思った瞬間が最近、何度もあった。とりわけ昭恵夫人が、学校法人「森友
国会ウォッチャーです。 衆院本会議で、共謀罪法案が通過する予定です。これについては、もうどうしようもないけれど、明日の参院法務委員会での審議入りは、阻止しないといけません。何度も言いますが、基本的に反対派にはノーチャンスなので、できるだけ先延ばしして、情勢の変化を待つしかないわけです。大体審議入り時点で30時間とか抜かしてたのに、審議入りに同意したことが一番の失策だったなと思うので、山井和則さんは反省して欲しい。審議入り時点が一番抵抗しやすかったわけでね。参院農林委員会桜井充議員のもあとで起こすかもしれませんが、まずは法務委員会から。 参院法務委委員会の仁比聡平議員質疑 仁比さん、めちゃくちゃ怒ってましたね。普段は温厚な方ですが。 仁比 「略)ジョセフ・ケナタッチ、国連の特別報告者が、安倍総理大臣に送付した書簡がありますが、大問題になっていますが、大臣としては、どのように検討されたのですか
「共謀罪」法案の審議入りで衆院本会議に臨む安倍晋三首相と、金田勝年法相(左)。金田氏はかつて大病したこともあり、政府与党内に大臣答弁への不安が広がっている (c)朝日新聞社この記事の写真をすべて見る 木谷明(きたに・あきら)さん(79)/元東京高裁判事、弁護士/30件以上の無罪判決を出し、全て無罪確定となった伝説的な裁判官(撮影/植田真紗美) 治安維持法の復活と警戒され、3度廃案になった「共謀罪」法案。「テロ等準備罪」と表紙を変えて再登場した。元高裁判事は、権力に弱い「司法の忖度」を危ぶむ。 今回の法案が通れば、「テロ等準備罪」という名のもとに、277もの罪が創設されます。これは、新たな捜査手法の拡大につながります。 たとえば、現行の通信傍受法でテロの計画、準備行為への捜査が不十分となれば、捜査機関は「もっと新しい捜査手法が必要だ」と主張する。今回のような新たな犯罪を処罰する法律ができた後
やっぱり、そういうことか――。21日、「共謀罪法案」を審議した衆院法務委員会。安倍政権の“ホンネ”が次々とあらわになった。 これまで安倍首相や金田勝年法相は「一般の人は対象にならない」と強調してきた。ところが、盛山正仁法務副大臣が「一般の人が処罰の対象にならないことはな… この記事は有料会員限定です。 日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。 (残り607文字/全文747文字) ログインして読む 【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】
世界のハイレベルな科学雑誌に占める日本の研究論文の割合がこの5年間で低くなり、世界のさまざまな科学雑誌に投稿される論文の総数も日本は世界全体の伸びを大幅に下回ることが、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」のまとめでわかりました。 それによりますと、世界のハイレベルな68の科学雑誌に掲載された日本の論文の数は、2012年が5212本だったのに対し、2016年には4779本と、5年間で433本減少しています。 また、世界のハイレベルな68の科学雑誌に掲載された日本の論文の割合は、2012年の9.2%から2016年には8.6%に低下しています。 さらに、オランダの出版社が集計した、世界のおよそ2万2000の科学雑誌に掲載された論文の総数は、2005年から2015年にかけての10年間で、世界全体では80%増加した一方で、日本の増加は14%にとどまり、日本は世界全体の伸びを大幅に下回っています。 特に、
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これまで何度も無駄と指摘され、それでも、様々な人々の利害のために、ゾンビのように生きながらえてきた「夢の原子炉」。このプロジェクトの中心には誰がいて、誰が責任を取るのか——。 元幹部の告白 かつて高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市・以下、もんじゅ)の運営主体である日本原子力研究開発機構(原研機構)で上席研究主幹という幹部職を務めた経歴を持つ田辺文也氏はこう語る。 「『もんじゅ』はいまの日本の技術力では、到底制御できるものではありません。そこに1兆2000億円もの膨大な予算が投じられてきたというのは正常な状態ではない。 もんじゅは、'95年にナトリウム漏れ事故を起こして、世界的にもその技術は疑問視されています。ましてや福島第一原発の事故という悲惨な経験をしたあとならなおさらです。 もんじゅの運営を行う職員の間でも、『ほかの研究にカネを遣いたい』『もう批判されたくない』と不満が出ています」
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