相模原市の「津久井やまゆり園」で2016年7月26日未明、知的障害者ら45人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた植松聖(さとし)被告(30)の裁判員裁判第7回公判が21日、横浜地裁(青沼潔裁判長)であり、弁護側が朗読した友人らの調書で、事件直前の被告の行動が明らかになった。 友人らの調書によると、植松被告は同月24日深夜~翌25日未明、地元の友人2人と会い、相模原市内の河川敷で大麻を使用。25日早朝には大学時代の後輩女性に連絡し、午後9時前に東京都内で合流して、新宿・歌舞伎町の高級焼き肉店へ向かった。女性はもともと、この2日後に食事をしようと誘われていたため、早まった理由を尋ねたところ、被告は「時が来たんだ」と答えたという。 焼き肉店で被告は「新しい法律を6個つくりたい」として、「意思疎通できない人を殺す」「大麻を合法化する」といった内容を一方的に説明。「昔の自分は嫌いだけど、今は好き
【解説】“ブチャ虐殺”で「顔も名前もばれている」…1600人「兵士名簿」公開の狙い “フェイク”主張のロシア「遺体は映っていない」
日本透析医学会は20日、人工透析をするかどうかを決める手順を定めた、新たな提言案を公表した。これまでの提言は、終末期の患者を想定していたが、今回は終末期でない人が透析の見合わせを希望した場合も含め、患者側の意思をくみとった医療やケアを提供するまでの流れを示した。会員や一般から意見を募り、今年度中に決める予定だ。 1985年に50歳ほどだった透析患者の平均年齢は現在、70歳近い。高齢やほかの病気を抱えるといった理由から、終末期ではない患者が透析を希望せず、見合わせる事例も増えている。昨年3月には、公立福生(ふっさ)病院(東京都福生市)で、透析を中止した女性が亡くなった事案が発覚。個別の事例に対応できる手順作りが課題になっていた。 今回の案では、終末期でない患者が透析をしたくないと希望した場合は、呼吸困難や突然死などその後におこりうる症状とケアについて説明。患者が望む医療とケアについて、医療チ
【#父親のモヤモヤ】 最近は男性が育児休業・休暇を取得することも増えてきたとはいえ、共働きの夫婦でもまだまだ長期間休むのは女性――。私(32)は2019年6月に男の子を出産。息子が生後3カ月の時に職場復帰しました。保育園の途中入園に落ちた息子の日中の世話は、フリーランスの夫が仕事を休んで対応しています。私たち夫婦は妊娠する前から話し合いを重ね、夫が「専業主夫」になったものの、病院、役所、職場、家族の反応は必ずしもそれをサポートしてくれるとは限りませんでした。(朝日新聞映像報道部・北村玲奈) 【マンガ】「パパはッ、圧倒的に役に立たない」赤ちゃん目線で描く「イクメン」 その真意は…ラストに共感 まず私たち夫婦の話を少し。私は朝日新聞でカメラマンをしていて、3歳年上の夫はフリーランスのカメラマンをしています。夫の仕事量には波があるので、家計を担っているのは妻である私。「仕事をもっと頑張りたい私」
佐々木教授が植松被告と接見するため、初めて立川拘置所を訪れたのは2018年4月である。 「植松被告と接見したのは、私の三男がきっかけです。彼には知的障害があり、やまゆり園の事件があって以来怯えてしまって、『植松が来る!』と言ってパニックになることもありました。社会の中で、第二の植松を出してはいけないと思うようになり、なぜこんな事件を起こしたのか動機を知りたいと思い接見を申し込んだのです。面会時間は一回30分。彼は、言葉遣いが非常に丁寧で、19人も殺した人物には見えませんでした」 接見中、植松被告から逆に質問が投げかけられたという。 「寝たきりになって自分の意志で動けなくなったら、生きたいと思いますかと問うので、命というものは、両親から授かったものです。また、子供とか家族のためのものだから、自分だけの命ではないんだよと答えました。さらに、『貴方のご両親は面会に来ましたか』と問うと、ノーアンサ
児童相談所(児相)が「虐待かもしれない」と受けた通告のうち、虐待の可能性が低いとみられる件の安否確認を、NPO法人に委託する取り組みが広がっている。児童虐待問題への関心が高まって通告数が増え、児相の負担が増したことが背景にある。(吉田尚大) 「小学校高学年なので本人からも話を聞けそうですね」 「お父さんが育児に協力的かどうかも聞きましょう」 NPO法人ワーカーズコープ(本部・東京)の埼玉県内にある事務所で、「泣き声が聞こえる」という通告があった家庭を訪問するスタッフたちが打ち合わせをしていた。 埼玉県は昨年4月、特に多忙な二つの児相が平日の日中に受けた通告のうち、実際に虐待が行われている可能性が低いと児相が判断したケースは、子どもの安否確認業務を同法人に委託した。児相から同法人へ連絡が入ると、スタッフが家庭を訪問。子どもの傷の有無や親の様子などを確認し、児相に報告する。深刻な虐待が疑われる
「ここは女性しかいないんですよね。それなら…」。25年前、阪神・淡路大震災から半年後に開いた女性対象の集まりで、その女性は重い口を開いた。 【写真】避難所はこんなに過酷…雑魚寝で、すし詰め状態でした 女性はシングルマザーで、仮設住宅で暮らしていた。幼い子どもを抱え頼る人もない中、初老の男性が何かと世話を焼いてくれた。「親切なおじいちゃん」と感じ、お礼に夕食に誘うと、態度は豹変し、「抱かせろ」と迫ってきたという。「悔しくて…」と唇をかむ女性は、「警察にちゃんと届けたの?」と聞かれ、一瞬押し黙った後、目に涙をため、言った。 「そこでしか生きていけないときに、誰にそれ(被害)を語れと言うんですか…」 ■「皆が大変な時に、ワガママでしょうか」 阪神・淡路大震災では、6400人以上が亡くなり、約64万棟の建物が被害を受けました。長引く劣悪な避難所生活や、仮設住宅の問題、雇用…さまざまな問題と、それに
医療的ケアが24時間必要な20代の重症心身障害者2人が、初めて親元を離れ、福岡市内の民家で共同生活を始めた。障害がある子をもつ高齢の親にとって「親亡き後」の住まいの確保は切迫した悩み。言葉や合図での意思疎通が難しい、重い障害がある人だけで住居を構える取り組みは全国的にも珍しいといい、関係者は「住まいの選択肢が限られる中、地元で持続的に暮らせる新たな形を確立したい」と話す。 【画像】医ケア児とケアに携わる学校看護師、教員の推移 2人は重度の脳性まひで、数時間置きにたんの吸引や胃ろうなどが欠かせない水野ひかりさん(26)と倉光陽大(たかひろ)さん(23)。新居の民家「SharedHome(シェアードホーム)はたけのいえ」(同市早良区)の世帯主は、ひかりさんだ。ひかりさんの父で医療的ケアが必要な人を日中に預かる施設「小さなたね」(同)所長の英尚さん(52)が共同生活を発案した。10年前から親交の
神奈川県立障害者施設「津久井やまゆり園」の後継2施設の運営主体見直しを巡り、同園の支援実態を検証する委員会は10日、県庁で初会合を開いた。昨年12月時点の利用者について過去5年分の支援記録を調べる中で、不適切な身体拘束が疑われるケースが複数あったと指摘した。 【犠牲者の母、手記と写真公開】「美帆」さん 生きた証しを 検証委は非公開で行われた。終了後に会見した委員らによると、会合では入所者を施錠した部屋に長時間閉じ込める事案を2件確認。「身体拘束の要件と照らし合わせ、必要性が疑われる」とし、今後詳しく調査する。行動を制限する手袋をはめたり、車いすをベルトで固定したりする手続きもみられ、各利用者の症状などに応じた適切な支援だったか慎重に調べる。 会見で、委員長に就いた国学院大教授で弁護士の佐藤彰一氏は「利用者が人間らしい生活を送れているか、福祉の観点から検証する」と強調。元毎日新聞論説委員の野
利用者ら45人が殺傷される事件があった相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の再生事業を巡り、県は園の利用者支援の実態やあり方を専門的見地から検証するため、弁護士など外部有識者3人の委員らで構成する検証委員会を設置した。10日、初会合を開いた。 【写真特集】相模原事件「やまゆり園」内部を公開 黒岩祐治知事が昨年12月の県議会で、2024年度まで園の指定管理者を社会福祉法人「かながわ共同会」とする従来の方針を撤回。理由の一つとして共同会の利用者支援に不備があると指摘しており、検証のため、第三者委員会の設置を決めた。 会合は非公開で、終了後に3人の委員が記者会見。昨年12月時点で、虐待の疑いのある身体拘束が25人であったことが県の調査で判明したと明らかにした。 座長を務める弁護士の佐藤彰一・国学院大教授は「虐待の疑いがあり、今後詳細に検証していく必要がある」と指摘。「やまゆり園の生活が全然明
イスラエルの社会学者オルナ・ドーナトの『母になった後悔:社会政治的分析』(2015年刊、未邦訳)は、母親になったことを後悔している26歳から73歳までの23人の女性の証言をまとめた研究書だ。 いまだにタブーとされる問題に正面から取り組んだ本で、ドイツをはじめ国内外で衝撃をもって受け止められ、大きな話題となった。 フランス語版の刊行に合わせ、仏メディア「マダム・フィガロ」に掲載された著者のインタビューを紹介する。 ──あなたがインタビューをした女性たちが、子供を持ったことを後悔しているのはなぜですか? 子育てに向いていないことに、子供を産んでからやっと気がついたからです。重圧を乗り越えるためにできるかぎりのことをしたけれど、それでも責任が重すぎると打ち明けてくれた女性もいます。 妊娠中、出産後、第一子出産後、第二子出産後など、こうした気づきが訪れる可能性はいつでもあります。 ──そのような気
以下に掲載するのは月刊『創』2019年8月号に掲載された座談会だ。相模原事件をめぐる議論は同年後半、黒岩神奈川県知事の発言もあって、施設のあり方がひとつのポイントになっていくのだが、それを早い時期に指摘して行われたのがこの座談会だ。 篠田(本誌) 相模原障害者殺傷事件から3年になります。来年1月から裁判が始まりますが、既に事件は風化しつつあるのではないかという声もあります。そんな中でこの座談会では、福祉や障害者の問題に長く関わってきた3人の方に集まっていただきました。 相模原事件は、これまであまり触れられなかった多くの問題を明るみに出したのですが、例えば入所施設や福祉のあり方をめぐって踏み込んだ議論がなされていないのではないかという指摘があります。きょうはその問題について話し合ってみたいと思います。 佐久間さんはやまゆり園ではありませんが、入所施設で働いている現役の方、井上さんは社会保障法
植物状態が1年以上続いた場合、回復の見込みはないとこれまで考えられてきた。 だからこそ、自動車事故後に15年間植物状態だった男性が意識を取り戻したというニュースは驚きを持って受け止められた。脳は、そのように機能するはずがないのだ。 ギャラリー:パーキンソン病の電気刺激はじめ、「医師たちにもよくわからない」治療法など フランスの研究者が、ある装置を35歳の患者の胸部に埋め込み、首を通り腹部まで伸びる脳神経「迷走神経」に電気を流し刺激した(VNS)。この刺激療法を毎日1カ月間続けた結果、あらゆる望みが断ち切られていた男性は、驚くべき回復を見せた。この研究は学術誌「Current Biology」に発表された。2017年のことだった。 この治療法に関してわかっていることや、植物状態の患者にとってどのような意味を持つかなどを紹介しよう。 ◆植物状態とはどのような状態か 植物状態にある人間は自力での
16日午前7時半ごろ、福岡市西区周船寺3丁目の公園で、近くのサービス付き高齢者住宅に住む女性(88)が血を流して倒れているのを通行人が見つけ、110番した。同居する娘(70)は自宅で上半身から血を流した状態で見つかった。2人は搬送先の病院で死亡が確認された。娘は重病のため寝たきりで、遺体には外傷があった。福岡西署は、介護に悩んだ母親が娘を殺害して、無理心中を図ったとみて調べている。 署によると、母親の持ち物や自宅からは「ご迷惑をおかけします。自殺します」などと書かれた遺書が見つかった。母親は約1カ月前から、施設関係者に「介護を続けるのが大変で将来が不安。金銭面も心配だ」と相談していたという。 署や施設関係者によると、施設では寝たきりの利用者に対し、定期的に体位変換やおむつ替えを実施。16日午前5時~5時半、看護師が2人の部屋を訪れた際に異変はなかったという。施設長の男性は「スタッフもショッ
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