――朝、きちんと起きられずに、遅刻してしまう。 ――「今日休みます」という電話一本かけられない。 ――復職しても長続きせず、また出社できなくなる。 「自己コントロール」がきちんとできることが一人前の大人の条件であるという観念からすれば、上記のような「うつ」によく見られる状態は「自己コントロール」ができていない意志薄弱なものと捉えられてしまいがちです。 しかし、前連載第1回でも述べたように、「うつ」に陥った人々は、ほとんどの場合、発症前までは人並み以上の意志力を備え、強力に「自己コントロール」をかけて進んできた人たちだったのです。 「うつ」に倒れる人々が後を絶たない現在の状況は、このように肥大化した「自己コントロール」の病に対して、人間の内なる自然が起こした一種の「異議申し立て」であると見ることができます。 しかし今日では、「自己コントロール」こそ成功の鍵であり、それを身につけることが人間の