私たちにとって身近なツボや鍼灸、漢方薬。近年、そのメカニズムの詳細が西洋医学的な研究でも明らかになってきています。例えば「手のツボが便秘改善に効くとされるのはなぜ」「ツボに特徴的な神経構造が発見された?」「漢方薬と長寿遺伝子との関わり」など、興味深い研究が数多く報告されているのです。最新の研究では一体どんなことが明らかになっているのでしょうか。 東洋医学のメカニズム研究の最前線をとりあげた一冊、『東洋医学はなぜ効くのか』(講談社ブルーバックス)から注目のトピックをご紹介していきます。今回は腸の免疫を高める作用が報告されている大建中湯(だいけんちゅうとう)という漢方薬に注目してみましょう。いま大ブームとなっている腸内細菌と深い関係があるようです。 「大建中湯」はどんな漢方薬? 大建中湯は第二の脳とも呼ばれる腸の活動と関係しています。 抗炎症作用を持つカンキョウ、腸の機能を高めるニンジン、そし
油は体に悪いと思われがちだが、それは誤解だ。適度な油の摂取は細胞膜をつくる上で欠かせない。一方、とりすぎによって悪い影響を与えることもある。今さら聞けない健康的な油のとり方を、慶応義塾大学医学部化学教室教授の井上浩義氏に解説してもらった。 油は体に悪いからできるだけ控えたほうがいい──。そんなふうに思っている人は少なくないのではないだろうか。だが、それは大間違い。適度に油をとることは、体にとって実はとても大切だ。慶応義塾大学医学部化学教室教授の井上浩義氏は「よく、私たちの細胞一つ一つをつくるのにはたんぱく質が必要だといわれています。ですが、実は油も必要なのです。細胞を包んでいる細胞膜は脂質からつくられているからです」と話す。 細胞を包む細胞膜は、脂肪酸とリン酸が結合したリン脂質という分子が2層に並ぶことで形成されている。油をとることは細胞膜をつくるのに欠かせないのだ。 ちなみに、私たちの脳
日本人の10人に1人が患っているとされる糖尿病は、国民病ともいえる身近な病気だ。どんな人が発症リスクが高いのか。京都府立医科大の研究グループが約13万人を10年間にわたり追跡調査した研究成果を発表した。4つの「食行動」が、発症リスクを高めることが分かったという。 京都府立医科大のグループが行った追跡調査は、2008~18年の10年間に健康診断を受けた糖尿病罹患歴のない12万8594人を対象にしたもの。かつてない大規模なものだ。「食行動」と2型糖尿病の発生率との関係を調べた。 追跡期間中(平均追跡期間:6.4年)に、6729例(5.9%)が2型糖尿病を発症している。2型糖尿病の発症は、生活習慣が大きく関わっている。 追跡調査の結果、「朝食を抜く」(週3回以上)、「夕食後の間食」(週3回以上)、「寝る前に食事をする」(就寝2時間前に週3回以上)、「早食い」──の4つの食行動のある人は、糖尿病の
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