以前に開発したUX Graphには、時間経過とともに曖昧になる人間の記憶に基いた主観評価値を、グラフの形に描いていいかという疑問があった。そこで思い切ってグラフを削除した経験想起法を提唱するに至った。 黒須教授 2017年2月1日 UXという概念の現状 早いものでUXというバズワードはもうそろそろ新鮮さを失ってきてしまったように思う。デザイン思考とかサービスデザインというバズワードも同様だ。新しいキーワードを使って聴衆や読者を魅惑しようとする人たちは、さらに新しいものを求めてそれを探し回っていることだろう。しかも、日本の場合、その活動は主にアメリカでの動きをみつけ、他人より先にそれを日本に紹介して鼻高々となる、そんなパターンが多い。 ところでUXという概念は、1990年代にNormanが提案したものだが、その発想は良かったものの、まだ掘り下げが十分ではなかった。その後の、特に欧州での議論を