生理学研究所(NIPS)は11月27日、光によってグリア細胞のみの働きを活性化させること(光操作)に成功し、小脳のグリア細胞を光で刺激すると、運動学習が進むことが確認され、グリア細胞は神経細胞と密接に連絡を取り合っており、グリア細胞の働きで脳の機能が左右されることが示されたと発表した。 成果は、NIPSの松井広 助教らの研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、現地時間11月26日付けで米国科学雑誌「米科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。 ヒトの脳は、神経細胞の間を信号が行き交う過程を通して、高次機能を生み出している。それを考えると、脳の容積の大半は神経細胞で構成されているようなイメージがあるが、実は違う。別の種類の細胞である「グリア細胞」で満たされているのだ。 過去1世紀にわたって、グリア細胞は脳の高次機能に関わるとは想定されておらず、ただ神経細胞を囲って栄養補給などのサポー