甲子園優勝7回、あまたの選手をプロ野球界に輩出してきた名門が消える――PL学園野球部問題を追い続けてきたノンフィクションライターの柳川悠二氏が“永遠の学園”をめぐる顛末を前回に続きリポートする! 野球部は3年前まで、PL信者からの寄付に頼る形で全国から有望選手を集め、特待生として無償で寮生活を送らせてきた。その信者が大幅に減少しているのだ。 現在のPL教団の信者数は公称90万人ほど。だが、全会員に配布される機関誌『芸生新聞』の発行部数は7万部とされ、その数からも信者の実数が推し量れるだろう。かつて全国に400あった教会も今では半数以下に減っている。信者数が落ち込めば、信者の2世、3世が通う学園の生徒数も減少する。昨年のPL小学校の入学者はわずか3人で、高校も外部からの受験者が28人。競争倍率は大阪府の共学私立のなかで最低だった。かつて高校の生徒だけで1000人を超えたマンモス校は見る影もな