なぜ、即興なのか――気鋭のミュージシャンに即興音楽の面白さを訊く 坂田明 ×トリプルエッジによる約1年ぶりのセカンド・アルバム『LIVE AT PIT INN』がリリースされた。山下洋輔トリオをはじめフリー・ジャズ/即興音楽シーンで60年代末より活躍してきたレジェンド・坂田明(アルト・サックス/クラリネット/ヴォーカル)を中心に、坪口昌恭(ピアノ/シンセサイザー)、早川岳晴(ベース)、藤掛正隆(ドラムス)の4人からなる彼らは、新作でも白熱したインプロヴィゼーションを繰り広げている。 もともと早川と藤掛が〈エッジ〉と題したシリーズでゲスト・ミュージシャンを迎えたセッション・アルバムをリリースしていたところに、坪口が参加し(=トリプルエッジ)、そして坂田が加わることでカルテット編成となった。前作も、新宿ピットインのライヴを収めた今作でも、リハーサルや打ち合わせは一切なし。すなわち完全即興で行な