1月のある週末、私用のため静岡に行く機会があり、せっかくだからとローカルなクラブに顔を出した。土曜日の夜なんだし、そう思ってドアを開けると、90年代初頭に流行ったヒップ・ハウスにエレクトロ、さもなければブレイクビーツ・ハウスが鳴り響いている。ちょと待って、いまいったい何年だ? DJブースにいるのは20代前半の若者たちで、フロアで激しく踊っているのもそう。DJミキサーの両隣にある2台のターンテーブルにはレコードが回っている。 これはいったいどういうことかと店主に尋ねてみると、ここ数年、若い世代ほどレコードを使い、若い世代ほど90年代モノをスピンするという。続いてその理由を問えば、まずレコードに関してだが、USBをぶっこんで100%完璧にピッチを合わせた、曲のつなぎ目もわからないデジタルなミックスが近年の世界的な潮流としてあるのはわかっていると。しかしミックスが、必ずしもすべてばっちり100%