本連載は、〝職業はドイツ人〟ことマライ・メントラインさんが、日常のなかで気になる言葉を収集する新感覚日本語エッセイです。 名詞「 上から目線 」 「上から目線」とは、「さして目上でもない人が、分不相応に示す偉そうな態度」のことだと認識していた。というか実際そうでしょ。上記定義について最も重要な箇所に下線を引けと言われたら、もう確実に「分不相応に」である。 が、しかし。この記事の本拠地でもある小学館が発行している国語辞典「大辞泉」には、以下の定義が述べられている。 【上から目線】 俗に、上の立場の者が下の者に対して示す言動。人に対して露骨に見下した態度を取ること。 ちょっと待ってほしい。これだと「分不相応に」の要素が完全に抜けており、立場の上下にかかわらず、強めに偉そうな態度を示したら即アウトということになるではないか。 それでいいのか? 上から目線ってそういうんだっけ? ちょっと変でしょ小