【ウィーン=末続哲也】財政危機に陥ったギリシャで、不況や増税による生活苦などから自殺者が急増、10万人あたりの自殺者数が年間6人に達し、危機が始まる2年前と比べて倍になった。 同国政府の調査などをもとに、20日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が伝えた。 10万人あたりの自殺者数が年10人を超す米国よりは低いものの、ギリシャはこれまで、自殺率が少ない国として知られていた。今年1~5月の自殺者数は昨年同期比で約4割も増えているという。 同国で自殺阻止に取り組む慈善団体にかかる電話相談件数は、従来1日あたり最大10件だったが、最近は100件に上る日もある。仕事を失い、生活に行き詰まった35~60歳の男性の相談が目立つという。不況に加え、財政赤字削減のための増税や公務員数削減などが進められ、失業率は16%を超えている。