1945年、日本が第二次大戦に敗戦。焼け野原からの復興は、先進国に追いつけ追い越せで日本全体が一丸となって努力をしました。 その時すでに西欧諸国は洋服を着ていました。日本再興の立役者には老いも若きも、社会的場面に洋服(らしき物)が必要でした。しかし、既製服が無い時代。当時の日本には全国に7万店ものテーラーが存在し、採寸をして紳士服を仕立てていました。その意味では、日本の復興を支えたのは、Made To Measure(MTM)テーラーと言っても過言ではありません。 そもそも洋服にはMTMしかなく、縫製の技術を持ったテーラーが紳士服を創りました。 テーラーが創る仕立て服は高価でした。しかしながら、縫製の技術があっても、時代と共に変化する情報の入手が難しい時代。デザインには無関心だと言われても仕方がありません。当時の青年たちの目には、“金持ちの父親から紹介された古臭いデザイン”は魅力的には映り