【ニューデリー=岩田智雄】インドの治安当局者は12日、産経新聞に対し、中国人民解放軍の兵士11人が今月8日、カシミール地方の中印両国の実効支配線を越境してインド側に約6キロ侵入したと明らかにした。インドの治安部隊と約2時間にらみ合った後、中国側に退去した。 中国兵の集団は大佐が率いる小隊で、車両4台に分乗し、中国が3分の2を実効支配するパンゴン湖近くのインド駐屯地を通過した。インド・チベット国境警察の警備隊が中国兵らを制止した。 この治安当局者は「中国側が誤って越境した」と説明し、「雪解けの季節になると、哨戒活動が活発化してこうした事案が起きやすい」としているものの、別の印北部ジャム・カシミール州の当局者は「6キロも侵入したのはミスではなく挑発行為だろう」と中国側を非難した。 12日付のインド紙ヒンズーは、11日にもカシミール地方で別の越境行為があったと伝えた。インド当局は確認していない。