日本の台所・築地市場で今年4月、食中毒を起こす可能性がある「バラハタ」が販売されていたことが分かり、大騒動になったことは記憶に新しい。魚のプロの目をかいくぐり、中華料理などで使われる高級食材「スジアラ」として売られてしまったわけだが、実は事前に疑いの目を向けた人たちがいる。東京都市場衛生検査所の食品衛生監視員。いわゆる「食品Gメン」だ。今回は不幸にも時間差で流通してしまったが、食品Gメンの指摘で販売先の特定にもつながった。一般の人にはなじみのない市場衛生検査所。取材してみると、これがなかなかの凄腕がそろった食の監視機関なのである。 まず事件をおさらいしてみよう。有毒魚のバラハタが見つかったのは、4月12日午前8時半ごろ。市場衛生検査所のベテラン女性職員と若手男性職員が、場内市場の仲卸店を回り始めて30分後、市場の水産卸店舗でバラハタとおぼしき魚が並べられていることに気づいたという。 ところ