子育ての“常識”のせいで、愛情が空回り ――親野先生は今の子育てにどんな問題があると思われますか? 子育てや教育ってね、親や先生のなかに「太古の昔からの思い込み」みたいなものがいろいろあるんですよ。みんなそういうものに縛られているせいで、せっかく愛情があるのに空回りしていることが多いです。 私が小学校の先生になったとき、子どもたちのいいところを伸ばそうと、いろいろ働きかけていたんですけれど、そうするとぐんぐん伸びていく子と、あんまり伸びない子がいるんですよ。 なんでかな、と思っていて、あるとき気が付いた。親のなかには、子どもをものすごく叱ってるお父さん、お母さんがいるんだよね。 たとえば、私が「○○くん、これがんばったね。よくできてるじゃん、自信もって!」といくらほめて帰しても、家で「あんた、これ何やってんの、ダメじゃない、○×▲※□……」と叱られ続けている子がけっこういる(笑)。ここだな