高知医療センター(高知市池)で昨年末、食道がんの患者の胃を誤って摘出してしまうミスがあり、運営する県・高知市病院企業団が19日、企業団議会で明らかにした。 医療センターによると、昨年末ごろ、食道がんにかかった県内在住の50代女性の食道を摘出する手術で、本来は胃を喉につなげるのに、腹部を執刀していた男性医師が摘出と勘違いし誤って胃の血管を切断。血管の縫合も検討したが、血流が確保できない可能性があり、胃も摘出。大腸を使って切除部分を補い、喉につなげたという。 女性は自宅療養中で、経過を観察するといい、補償の準備を進めている。今回は喉と腹部を同時に別の医師が手術していたが、当面、同時に手術することをやめるという。医療センターの吉川清志院長は「患者さんやご家族におわびする。再発防止に努める」と話した。【柴山雄太】