(インタビュー・文=山村 基毅 写真=須藤 夕子) <プロフィール> 1983年の連載開始以後、「お前はもう死んでいる」といった名セリフで知られ、後には社会現象にまでなったマンガ「北斗の拳」(原作・武論尊/作画・原哲夫)。 実はこの作品、原型は担当編集者でもあった堀江信彦が創り出したのである。テーマやキャラクターの大枠を造形し、連載中もマンガ家、原作者と協議しながら作品を作り上げていった。その意味で、堀江は「第三の作者」と言えるかもしれない。 堀江は当時の人気の原因をこう振り返る。 「当時、ノストラダムスのブームなどがあり、どうも世紀末は危ないぞという雰囲気があったんです。さらに、バブル前夜でしたから、人の心は荒んでいった。そんな中、人間らしい生き方とはどういうものなのか、悩む人も多かったのでしょう。だから、荒野の中で愛を叫ぶ主人公に人気が集まったんだと思いますよ」 堀江はこの