近畿大学水産研究所新宮実験場(和歌山県新宮市)の稲野俊直准教授(水産増殖学)の研究グループが、女性ホルモンに似た作用を持つ「大豆イソフラボン」の成分を使い、ナマズを全て雌にすることに成功した。発表した同大学によると、日本で初めての成果。ナマズは雄より雌の方が成長が早く、稲野准教授は「全雌化によって生産効率が上がる。雌の価値が高い他の養殖魚にも応用できる」と話している。【竹内之浩】 稲野准教授によると近年、ウナギの代替品として注目されるナマズの養殖では、雌がふ化してから半年~10カ月ほどで600グラム以上の出荷サイズに達するのに対し、雄は成長が遅く、廃棄されることも多いという。女性ホルモンの投与で雌化することは確認されているが、食用魚への投与は禁止されているといい、サプリメントとして市販もされている大豆イソフラボンを用いることを考えた。
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