「年金だけでは老後資金が2000万円不足する」と試算した金融庁の市場ワーキンググループの報告書を巡り、国内では混乱が広がった。しかし、「この問題を巡る議論はウソと誤解ばかりだ」と、ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学学長の大前研一氏は一蹴する。 大前氏は、日本人が生涯にわたって豊かに生き続けるために必要なのは、常に学び直す「リカレント教育」だと訴える。『稼ぐ力をつける「リカレント教育」』(プレジデント社)を6月に上梓した大前氏に、「リカレント教育」の必要性や、日本の教育の問題点などを聞いた。 大前研一(おおまえ けんいち) (株)ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、ビジネス・ブレークスルー大学学長。早稲田大学卒業後、東京工業大学で修士号を、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得。日立製作所、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て現職。英国エコノミスト誌は、現代世界の思想的リ