アイヌの人々の伝承の中には,ユニークな種族やモンスターが多数登場する。その中でもとくに有名なのは,コロポックル(コロボックルと呼ばれることも多い)だろう。 コロポックルは人間型の種族で,非常に小柄なことで知られている。身長は,小さいものでは3センチ,大きいものでは120センチくらいと諸説ある。彼らは,葉の下や縦穴を住居としており,温厚で漁や狩猟を得意としている。人間のように社会を営んでおり,族長などの役職もあるようだ。 なおコロポックルという名は,アイヌの言葉で「ふきの葉の下に住む者」という意味で,彼らの小ささを表したネーミングとなっている。またアイヌの伝承には,トイチセウンクル(土の家に住む者),トイチセコッチャカムイ(土の家のそばにいる者)というものも登場するが,これらはコロボックルの別名であるらしい。ちなみにトイチセコッチャカムイという呼び名に含まれる「カムイ」は神格を表す言葉でもあ