北海道現象から20年。経済疲弊の地で、いまなお革新的なチェーンストアがどんどん生まれ、成長を続けています。その理由を追うとともに、新たな北海道発の流通の旗手たちに迫る連載、題して「新・北海道現象の深層」。第9回は、北海道市場の流通勢力図を一変させた、外資“イオン”の道内進出の軌跡を辿りながら、北海道流通に与えた甚大な影響について解説します。 北海道現象の本質を20年前に喝破していた岡田卓也名誉会長 岡田卓也・イオン名誉会長を招いて札幌で開かれたシンポジウム「流通改革と北海道経済」(1999年8月)。パネル討論には「北海道現象」の名付け親、鈴木孝之・メリルリンチ証券シニアアナリスト、似鳥昭雄ニトリ社長(いずれも当時)らも参加した ちょうど20年前、小売業の「北海道現象」が全国的な注目を集めていた1999年8月に北海道新聞社は「流通改革と北海道経済」と題したシンポジウムを札幌で開きました。その