永山 則夫さんの死刑が執行されたことを、新聞によって知った。 その記事を目にした瞬間、身体の力が抜けてしまって、どうしようもない虚脱感がやってきた。 遺骨と遺品を僕の敬愛してやまない遠藤誠先生が引き取ったということを知って、先生の心を思ってどうしようもなく切なくやり切れなく、怒りにも似た感情も沸いてきた。 遠藤先生は著書の中で、彼のような哀れな人間のためならば、身代わりに死んでもいい。と語っている。 ここまで永山さんのことを思っていた遠藤先生の無念さはいかばかりか。 今日の朝日新聞の読者の声で、 「もっとこの世の中には悲惨な境遇の人間もたくさんいる。でも人を殺したりはしない。だから永山は死刑になって当然だ」 という論調が掲載されていた。 永山さんの境遇を本当に知っているのか? それとも、あなたが永山さんより悲惨な境遇で育ったというのか? もし、自身がそ