このサイトで「ユダヤ人はヘブライ語を話していた」と書いているのを読んで、「ヘブライ語というのは、アラム語のことではないか」という人もあるかもしれません。確かに、新約聖書の時代にはイスラエルではアラム語が使われていたというのが定説でした。ところが、とくに死海文書の発見以降、「やはりヘブライ語だったのではないか?」という説も出てきているのです。 ヘブライ語とアラム語は親戚関係にあって、方言程度の違いしかないそうです(ともに北西セム語群に属し、原カナン語を源としている)。そしてアラム語はヘブライ語よりかなり古く、国際語の位置にありました。 このため従来は、キリストやユダヤ民衆はアラム語を話し、ヘブライ語は宗教用語であったというのが定説でした。列王記下18:26の時代(紀元前8世紀頃)には、ヘブライ語を話す民衆はアラム語がわからなかったようですが、バビロン捕囚後は、一般人はメソポタミアでひろく使わ