前回の記事では、 現在、日本の寄付は現在は比較的低調であること 一方で戦前は寄付文化が活発であったこと を取り上げました。 今回は、もう少し遡り、日本の寄付に対する価値観はどのようなものであったかを考えていきたいと思います。 日本の「寄付」に対する思想 日本の寄付文化の歴史で面白いのは、中世に「有徳人」と呼ばれる、積極的に寄付活動を行う富裕層がいたことです。 彼らは古くからいた高貴な家柄ではなく、商業や荘園経営などで財をなした、いわゆる新興勢力でした。 彼らはなぜ積極的な寄付活動を行ったのか、古代~中世にかけての寄付に対する価値観から考えてみたいと思います。 日本の寄付文化の源流を遡ると、以下のようなの代表的な寄付の動機に行きつきます。 ①地位がある者が「徳」を示すための寄付 ②富(得)を得た者が、社会に還元するために行った寄付 ③宗教観(主に仏教・神道の思想)に基づく寄付 です。 これら