大阪府のコロナ禍は国内ワーストの悲惨さだ。3月はじめまでの1週間では、人口10万人あたりの感染者数が唯一600人を超え、東京や神奈川をはるかに上回っている。人口当たりの死者数は実に東京の2倍近い。ややセンセーショナルな言い方だが、同じコロナに罹っても、大阪府民は東京都民より2倍死にやすいということになる。 それは医療体制の違いが大きい。病床使用率はやはり全国ワーストで、あおりを受ける京都、兵庫、奈良など近隣府県も軒並み医療逼迫に苦しんでいる。それなのに、吉村洋文・知事が「野戦病院を作る」と意気込んで開設した1000床の「大阪コロナ大規模医療・療養センター」は不人気で利用されていない。府は「自宅療養やホテル療養を選ぶ府民が多いから」と説明するが、その通りだとしても行政の判断ミス、政策ミスであることは明らかだ。そのカネと人員を別のところで活用すれば、こんなに死者を出さずにすんだ可能性は高い。