村田諒太が負けたのは手を出さなすぎたため。それ以外はない。5月20日に行なわれた村田諒太とアッサン・エンダムとのWBAミドル級世界タイトルマッチにおいて、村田諒太が”予想外”の敗戦を喫したことが大きな話題になっている。そのほとんどは、この敗戦が”誤審”もしくは”八百長”である、という声だ。 しかし、僕はこれに断固として反対する。あの試合は、村田諒太があまりに手を出さないことによって多くのラウンドを失った結果であり、それ以外の何物でもない。妥当な判定である。 エンダムの手数≒攻勢を評価するか、村田の圧力を評価するか、という二点において、もちろんジャッジする人間の心理やボクシングというゲームに対する考え方によって、多少のブレがあることはいうまでもない。また、ジャッジ(=審判)3名のうちエンダムの勝利と判定した2名のジャッジが、エンダムに肩入れする、もしくは日本人である村田諒太を快く思っていなか