はじめに 本稿は、拙書のエンジニアリング組織論への招待~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリングに関する参考となる書籍を企画意図とともにあげていく試みです。できる限り、専門書ではなく平易な文体の書籍を参考としてあげていきますので、このあたりを深掘りしたいなと思ったら、その箇所のみの参考書籍を併読していただけるとより理解が深まると思います。 Chapter 1 思考のリファクタリング 第1章は、「仕事」と「学力テスト」という2つの違いを論じながら、16世紀から20世紀初頭にいたるまでの科学哲学の歴史を辿っていくというのが「裏テーマ」となっています。そこから、「知識を得る」とは何かということを浮き彫りにし、それこそが<エンジニアリング>であると論じるということが本書を通じた論理展開の骨子です。 そのため、直接の参照ではありませんが、科学という概念が西洋社会でどのように生まれてきたのかとい