本文の構成は次のようである. 1. はじめに 2. 構成的数学 2.1 計算可能実数 2.2 区間演算と計算可能実数の四則演算 2.3 区間解析の発展 2.4 自動微分 3. 精度保証付き数値計算と構成的数学 3.1 ニュートン法と区間解析 3.2 構成的数学との関係 4. 精度保証付き数値計算で微分方程式を解く 4.1 ダフィング方程式の周期解の分岐 4.2 ホモクリニック分岐 5. むすび 参考文献 1.はじめに(目次に戻る) 組み合わせ数学や離散数学などに現れる,整数演算の有限回の操作で正解 が得られる問題は計算機で厳密に解けるが,微分方程式の境界値問題などの 連続数学の問題は計算機では厳密に解くことはできない.連続数学の問題 が解けるとしても,記号処理による代数的な問題に限られる. このような考え方は一般に広く信じられているものではなかろうか. これに対して,近年,精度保証付き数値