傑作だ。いつもより抑え目の演技でジワジワと感情を揺さぶる亀島一徳や「まさに天使」という感じにキュートネスとサッドネスを炸裂させる島田桃子らの役者陣、トイピアノ、フルート、三味線、鉄琴らが一斉に奏でる音楽前夜社からの素晴らしき提供楽曲、舞台上の見立てのマジック、ありとあらゆるものがネクストレベルなわけだけど、何より脚本に込められた心意気に涙する。 脚本は今まで以上に(意図的に)破綻し、ナンセンスに、不条理に、脱臼・脱線を繰り返し進んでいく。過去・現在・未来の時間軸はセオリーを無視して複雑に絡み合い、生きている者と死んでいる者の境目はなくなり、人が猫になったり、他人同士が突然が家族になってしまったり。三浦直之(ロロ主催者)の手さばきは、フェイバリットとして上げられる舞城王太郎、高橋源一郎、大林宣彦らの影響を微塵も隠そうとせず、むしろそれらを加速させた形で進んでいく。この暴走した物語の軌道に「な
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