いやあ、興奮しました。ジャズに限らず、音楽に関する本でこんなに興奮して読んだのは、『文化系のためのヒップホップ入門』以来。あれも「世界が変わってゆく」のを実感しながら読んだもんですが、これまた「ジャズから見た世界」が根底からひっくり返されてゆく快感を満喫しました。もう、ばりばり音楽が聴きたくなってます。 村井さんの『あなたの聴き方を変えるジャズ史』が、いわば北米大陸の上空から見たアメリカ音楽史の鳥瞰図をジャズにフォーカスして語ったものとすれば、こちらは地上に降りて、今新たな高みに登りつつある地点から、過去100年を眺めたものと言えるでしょうが、内容は遙かにラディカルです。ジャズの「正史」はほとんど完全にひっくり返されてます。「頑固なジャズおやじ」は読んではいけない。これは、最近ジャズを聴きだした、これからジャズを聴いていこうという人のための本です。 鍵はヒップホップです。『文化系のためのヒ